札幌市議会 2009-02-27
平成21年(常任)経済委員会−02月27日-記録
平成21年(常任)
経済委員会−02月27日-
記録平成21年(常任)
経済委員会
札幌市議会経済委員会記録
平成21年2月27日(金曜日)
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開 会 午前9時59分
○
伊藤理智子 委員長 ただいまから、
経済委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
大越委員からは、欠席する旨、連絡がございました。
それでは、議事に入ります。
藻岩山魅力アップ構想施設再
整備基本計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者より説明を受けます。
◎昔農
観光部長 藻岩山の
魅力アップに関しましては、日ごろから皆様の多大なるご協力をいただきながら進めているところであり、この場をおかりしまして、改めて感謝を申し上げます。
さて、本日は、
藻岩山魅力アップ構想に基づきます
藻岩山の再整備につきまして、その
基本計画(案)が整備の主体となっております
札幌振興公社から提示されておりますので、これについてご説明を申し上げます。
お手元にお配りしておりますのは、
基本計画(案)と、策定に当たりまして、その基礎となっております
藻岩山魅力アップ構想でございます。
それでは、
基本計画(案)の1ページをごらんいただきたいと思います。
第1章
藻岩山魅力アップ構想施設再整備に向けてということで、再
整備事業の目的について記述してございます。
現在の
展望台は、1969年に完成し、既に39年ほどが経過しております。その後、
ロープウエーも、1972年の
札幌オリンピックに合わせて改修が行われております。そこで、安全性の向上、環境への配慮、
バリアフリー対応などに考慮しつつ、老朽化した施設の再整備を図るのが事業の目的でございます。
次に、2ページから4ページに記載しております
整備方針でございます。
これは、平成19年5月に策定しております
藻岩山魅力アップ構想での考え方を踏まえたものでございます。特に、再整備のテーマといたしまして、
藻岩山の貴重な
自然環境の保全と、自然との触れ合いの場を重視する森林と人との共生を上げております。
続きまして、具体的な
施設整備計画についてご説明いたします。
5ページをごらんいただきたいと思います。
今回の
事業対象地域を上空から見た全体計画図でございます。今回の再整備は、山ろく、中腹、山頂という大きく三つの
エリアで実施するものでございます。
6ページをお開きいただきますと、その各
エリアで整備の対象となる施設をご紹介いたしております。
続きまして、7ページをごらんいただきたいと思います。
ここでは、
集客計画といたしまして、現状における
藻岩山の
利用者数、再整備後の
想定人数をお示しいたしております。現状では、
ロープウエー、
観光道路、登山道を合わせますと年間60万人の方々が
藻岩山を訪れており、再整備後は、
市内観光施設でもトップクラス、19年の例で申し上げますと、さとらんどが87万人の入りとなっていて、これが一番多いのでございますけれども、そのあたりの数字を目指してまいりたいと考えております。
一方、そうした集客を目指していくために必要な
事業規模につきましては、ここでは具体的な数字はのせておりませんが、おおむね28億円程度を考えているものでございます。
次に、山ろく、中腹、山頂の各
エリアごとに計画しております整備の概要についてご説明いたします。
まず、8ページをごらんください。
ここでは、
山ろくエリアについてご紹介しております。
藻岩山への玄関口として、より多くの、そして
子どもたちから
高齢者、障がいをお持ちの方々に至るさまざまな層の皆様にお越しいただけるよう整備を実施する計画でございます。
山ろくエリアの最大のポイントは、
ロープウェイ山麓駅に至るまでの
バリアフリー対応であり、これまでも議会の場でご議論いいただいているものでございます。9ページの
イメージ図をごらんいただくとおわかりのとおり、
ロープウェイ山麓駅下に
大型バスも停車できる車寄せを整備し、ここでおりたお客様を、新たに設置いたします
エレベーターで
ロープウエーのプラットホームのレベルまで行けるように計画いたしております。このほか、
山ろく駐車場を改修し、
収容台数の増加を図ってまいりますとともに、市電電停から歩いてお越しくださる方々に対しましても、歩道の改修、冬季のロードヒーティングなどの検討をしているところでございます。
次に、10ページをお開きいただけますでしょうか。
これも、かねてより議会の場でご提案いただいておりましたが、
水道記念館との散策路を新たに整備し、双方の施設の連携、
相互利用により、この
エリアの活性化もあわせて図ってまいる計画でございます。
続きまして、
中腹エリアについてご説明を申し上げます。
11ページをごらんいただきたいと思います。
この
エリアは、
ロープウエー、
観光道路を利用して山頂に向かう際の起点となる
エリアでございます。天然記念物の
エリアに隣接していることもあり、豊かな自然に触れていただくこと、大都市に隣接する貴重な
森林資源という
藻岩山の最大の特徴を体験していただくことを念頭に整備を進めるものでございます。
12ページをごらんいただきたいと思います。
現在は、老朽化により休止しております
リフト用地跡に、この
イメージ図にあるような
森林体験型輸送施設を整備する計画でございます。この施設は、電動自走式の
小型モノレールのようなもので、環境への負荷が小さく、しかも車いすのまま乗車できるなど、
バリアフリーの対応が施されているものでございます。この乗り物をお使いいただき、周囲の豊かな
自然環境、
森林資源に触れながら山頂に向かっていただくことが可能になるものでございます。
子どもたち、
高齢者、障がいをお持ちの皆様にも安全に利用いただけるものとして整備を実施したいと考えております。
あわせて、
ロープウエーと
森林体験型輸送施設、我々はこれを
スロープカーと申しておりますけれども、
共同駅舎を整備し、
ロープウエーからこの
スロープカーへはだれもが簡単に乗りかえできるよう、また、新たに中腹に設置を計画しております
中腹駐車場からもこの
スロープカーにスムーズに乗車できるよう整備を進めてまいりたいと考えております。
このほか、
ロープウエーにつきましては、その安全性の向上を図るため、設備の改修を実施し、駅舎につきましても、
中腹エリアの
拠点施設として
バリアフリー対応の充実による整備を行ってまいりたいと考えております。
次に、
山頂エリアについてご説明いたします。
14ページをごらんいただきたいと思います。
この
エリアは、
藻岩山の最大の魅力である眺望を楽しむ場であるとともに、
ロープウエーと
スロープカー、
観光道路、さらには登山で訪れる方々が集まる場所でもあり、さまざまな目的を持って
藻岩山を訪れる皆様に
藻岩山の魅力を提供していけるような整備を実施してまいります。
まず、
山頂展望台についてでございます。
15ページに
プロポーザルで選定されました事業者からご提案いただいた
イメージ図を載せておりますが、
屋上展望台以外にも屋内に展望室を設置するほか、当然でありますけれども、この施設に到達するまで、その施設内についても
バリアフリーを徹底し、多くの皆様が何度も訪れたくなる
展望台を目指して整備を実施してまいります。
16ページでは、
展望台の
基本構成をご紹介しております。
中心部に上下の移動のための
エレベーターの設置を計画し、その周辺に
魅力アップにつながるさまざまな機能を持つ施設を配置するとともに、屋上だけではなく、屋内からも基本的に360度の眺望を楽しめる施設の実現を検討してまいりたいと考えております。
続いて、17ページをごらんいただきたいと思います。
展望施設を整備していくに当たりまして、基本的な考え方を四つほど上げております。環境への配慮、
バリアフリー、
ユニバーサルデザイン対応、地元の
天然素材の活用、集客、収益性の向上でございます。また、この
展望台への
アクセスにつきましては、現在の
展望台をご利用いただく皆様から多くご指摘をいただくことでございますが、駐車場からの階段、長い坂道、さらに、
展望台に入る際の階段、
展望台に上る場合の
らせん階段といった障害がございます。
このようなバリアをなくすために
アクセス手段を検討するのは当然のことでございますので、
展望台の
エントランスには大型のバスが発着できるような形状を検討し、これに加えまして、環境への配慮を勘案した結果といたしまして、山頂の
一般車両の駐車場については削減し、一方で、中腹に駐車場を設置する方向で検討を進めるものでございます。さらに、山頂への
アクセス手段といたしまして、
環境配慮、
環境学習の視点も加え、中腹との間に気楽に
森林資源に触れながら散策を楽しむことができる場として
自然学習歩道の設置を計画しております。
最後になりますが、18ページをお開きいただきたいと思います。
山頂展望台内に設置を予定しております
札幌紹介施設についてご説明いたします。
藻岩山は、山頂から札幌の市街地を一望できる場所でございます。
札幌紹介施設は、その特性を生かしまして、札幌の地勢、歴史、文化、自然、観光等を質の高い画像でご紹介する施設でございます。あわせて、悪天候の際にも山頂からのすばらしい眺望を楽しんでいただけることと、現実の眺望と映像を組み合わせた工夫を凝らした装置で、お客様に楽しんでいただくようなシステムを検討したいと考えております。また、年間10万人もの登山者が登ってこられますことから、登山者の皆様にご利用いただく施設、さらには、再整備後は大幅な来場者の増加が予想されますことから、これに対応した
給排水施設についても新たに整備を検討してまいりたいと考えております。
なお、資料編といたしまして、資料1で
藻岩山の歴史、資料2で
藻岩山に関するこれまでの調査の概要、資料3といたしまして
藻岩山魅力アップ構想の概要版、資料5で、第2次新
まち計画の中での
藻岩山に関する部分と、それに対して市民の皆様からいただいておりますご意見、資料7では、再整備を進めていくに当たりましては最も重要と考えられる環境について、守るべき指針を示しております
環境配慮ガイドラインを、そして、最後に、資料8といたしまして、
展望台の
設計運営に関する
事業者選定プロポーザルの結果についてそれぞれ資料を添付させていただいております。
以上、
基本計画(案)のご説明とさせていただきます。
なお、今後のスケジュールでございますが、本日、皆様からいただいたご意見を踏まえまして、
札幌振興公社が札幌市の手法に準じた形で
パブリックコメントを実施する予定でございます。
意見募集の期間は約30日を予定しておりますが、あわせて、
北海道森林管理局など
関係機関とも引き続き調整を行い、4月上旬から中旬にかけて
基本計画として確定し、次の
基本設計へと段階を進める予定でございます。今後とも、ご報告をさせていただきながら事業を進めてまいりますので、引き続きご協力をよろしくお願い申し上げます。
○
伊藤理智子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆林家とんでん平 委員 私から、何点かお話しさせていただきたいと思います。
私ごとで申しわけございませんが、私は、落語家になって29年になります。落語家の立場で、
日本全国のあちこちに行くことが多いんですね。泊まる機会があったりすると、市町村あるいは都道府県で、ここのいいところに行きましょうと。そして、例えば
展望台などへ行きますね。そこへ行くにも車でばっと行って、すぽっと切ったところにいろんなものが建っていたりします。また、そこには食堂がなかったりしますけれども、食事をいただくときには、やはり、その場所の名物などをいただきます。そして、よかったな、このまち、この市町村はいいな、そういう思いを持って帰ってくることが多いんですね。逆に言うと、いや、おもてなしをいただいたけれどもということもありますね。
今、
藻岩山のお話をいろいろ伺いましたけれども、これからのことですね。そこで、市政における本構想の
位置づけということで、人と自然が調和した
まちづくりをということをうたっています。これは、私があちこち行くところとはまた全然違うなということがあるんですね。札幌市の
立地条件で言うと、
藻岩山は原生林を持っている、自然と調和しながらこれを守っていこう、そういう
位置づけがあるということですね。
そこで、あちこちへ行くとき、車でばっと行って、ずっと山頂まで行くということが結構多いんですが、
藻岩山の構想では障がいのある方も本当に楽しめるのかどうか。今までの議論の中では、ぜひそうしてほしいということが、結構、議論されてきたと思うんですね。
たまたまけさの道新にいろいろ載っておりましたけれども、あれを見てしまうとというか、何か思いがしぼんでしまうような気がするんです。予算が圧縮されて云々とか、こうやって説明を受けると、どういうものができるんだろうと、やはりそういうことをきちっとお聞きしなければ、私たちは、夢というか、これからの構想が成り立っていかないんです。
先ほど言ったように、障がいのある方もこの
藻岩山をどういうふうにして楽しめるのか。肢体不自由であったり、いろんな障がいのある方がいらっしゃるわけですから、今回示されている案では、いろんな障がいのある方は一体きちっと行けるのか。私の子どもも全く動かない状況なもんですから、どこへ行くにも、食事に至るまで、2次調理まで全部調べて、それから行くことになるんです。だから、例えば、それを忘れて怠ったとしても行けるのかどうか。今言った中腹から山頂までの間のことをどういうふうに整備しようとしているのか。いわゆる
バリアフリーの面ではどうなのかということをまずお聞きしたいと思います。
◎昔農
観光部長 バリアフリーに対する基本的な考え方ということでは、各
エリアの具体的な対応というものを、今は案でございますが、この
基本計画の中で一応考えております。
バリアフリーに対応という中では、今、まさに委員がおっしゃったとおり、
自然環境の保全という部分から考えましても、今回の再整備においては、まず
バリアフリーというのは大きな考え方でありまして、先ほど申しましたとおり、子どもの方、
高齢者、特にこれからは超
高齢社会を迎えます。そして、障がいを持った方々も、だれもが容易に行けるという
コンセプトをまず考えました。
今回の
基本計画におきまして、
山ろくエリアでは、
ロープウェイ山麓駅下まで、今、実は非常に長い急カーブの階段でございます。ここまで来られましても、あの
ロープウエーに入るまでが大変な状況でございました。それを、あの階段のところは全部下切りしまして車が横づけできるように山ろくの部分を考えました。そして、車からおりられますと、そこに障がい者も使える
エレベーターを設置いたします。
それから、
中腹エリアでございます。車いすでも、回せる方は容易に自力で乗り込める
輸送手段ということで、先ほど申しましたが、今は
森林体験型輸送施設という名前で申しております
スロープカーをリフトの跡地に設置いたします。これは自力で入っていけるようなものでございます。あわせて、ここは、
ロープウエーからの乗りかえもスムーズにいくように
バリアフリーにしてまいります。
また、
山頂エリアでございますけれども、
展望台施設は完全な
バリアフリー化を図って、屋上の
展望台も
エレベーターでそのまま上がっていただいて容易に出ることができるように整備を考えてまいりたいと思います。そういう意味では、山麓駅から
山頂展望台まで、車いすをお使いになる方も自力で移動ができるという形の実現を図ってまいりたいというのが今回の整備案でございます。
◆林家とんでん平 委員 温泉地にしても、よく、我々のところは
バリアフリーがきちんと整っていて大丈夫だよといううたい文句のところがあるのですが、実際にはなかなか使えないのがほぼ80%ぐらいと、結構多いんですね。その人たちの立場でつくったということが見受けられないところが結構多いんです。
最初の説明の中でたまたま説明がなかったのですが、
事業形態というのですか、そういうところもお聞きしたいので、ぜひそのことも説明をしていただければと思います。
事業規模ですね。今回の
事業費云々というところですね。
◎昔農
観光部長 28億円の部分でございますね。きょう、道新の方に出ました28億円の部分で、これから
実施設計に入っていく中でちょっと変わってまいりますけれども、現実にその整備にかかるお金のご説明でよろしゅうございましょうか。
ロープウエー等の整備といたしましては、5億円ほどかけてまいりたい。それから、
ロープウエーの山麓駅と中腹駅は、今現在あるものの改装という形になりますが、これで3億円ぐらい、
展望台の部分といたしましては9億5,000万円ぐらい、そして、
山頂スロープカーでございますけれども、こちらの方で4億5,000万円ぐらいの経費をかけて整備しようと考えております。
◆林家とんでん平 委員 今回のこの案で、一番最初に報告するというか、お示ししていただくことではないかなと思うんですね。これは、けさの新聞に載っているから大丈夫だという意識ではなくて、逆なんですよ。逆に言うとなぜこんなに早く新聞に出たのかなと思うぐらいのものです。僕らはあの新聞を見て議論するんじゃなくて、きょうこうやって委員会でお話しするということが本当だと思うんですよ、だから、ちょっと逆だなと思っているんです。
さて、次の質問ですが、
山頂部分の
山頂展望台です。この
展望台は、やはり私たちは、
リピーターというか、もう一度来たいなと。
藻岩山に来たけれども、「もういいわ」ではなくて、また来たいなと。それは何かというと、いつも同じようではだめなんですね。だから、少しずつ形を変え、例えば、いろんなイベントをやるとか、そういうこともどういうふうに考えているのか。
これもちょっと余談ですが、実は、今度、
林家三平の2代目を継ぐのに国技館で
記念公演をやるのですね。8,000人を集めてやろうと。全国から募るんだと。そうしましたら、今、希望者が4万人来ているんですね。これは何かというと、今までにないことをやるから。8,000人、いや、入らないだろうと思ったのが、逆に
日本国じゅうから5倍も応募している。目先を変え、いろんなことをやることによって、
藻岩山はいいところだなと。そういうところで
リピーターがふえていくと思うんです。
ですから、今後というか、この
展望台をどういうふうにやろうとしているのか、その辺をお聞かせ願えればと思います。
◎昔農
観光部長 お答えします。
まさに、今、委員がおっしゃったとおり、ただハードの新たな整備のみならず、
ソフト事業をいろんな形でする、そして
リピーターを入れていくということは、我々としても非常に重要なことだと思っております。
今現在、老朽化しております
展望台でございますが、実は、我々は、これの
集客効果を上げるということでいろんな形で
ソフト事業を組みました。お
月見ナイトだとか、いろんな形で
市民参加型のものをやっております。そういった中で積極的な
ソフト事業をやりました結果、平成17年以降でございますが、
ロープウエーの利用者は年々増加しておりまして、我々としてもこれは本当に効果があるものだなと思っております。
現在も、
季節ごとに姿や形を変える
藻岩山、これに向けていろんな事業をしていこうということでやっております。この効果の数字が見えてまいりましたので、我々としましては、新しい施設の魅力と、それから
相乗効果を合わせまして、
藻岩山に行ったら何かがあるという
基本コンセプトを持ってこの事業を進めていきたいということでございます。
◆林家とんでん平 委員
藻岩山の
展望台に上って、これは北海道の3大夜景と言うのですか、僕は、これは皆さんも余り知らなかったなと思うんです。この夜の絶景は余り知らされていないような気がするんです。そういう面で、
展望台のところにどういうふうなものを備えるか。例えば、今は2階建てですね。その屋上ですが、障がいのある方も屋上に上れると。ただ、屋上に上れても、雨となると障がいのある方はなかなか難しい。そこで、大きなパラソルみたいなものとか、もっと大きく透明なもので、そこで見られる。また、天気が悪いときはいろんな装置で夜景が見えるようなこととか、何か楽しいことが、天気が悪いときは、これは損したな、きょうは天気が悪かったからというんじゃなくて、天気のいい、悪いが関係なく楽しめるような、そういうものもつくっていただければなと思うんです。
それから、これからの要望ですけれども、やはり、
パブリックコメントなどでの
市民意見の中に、
アクセスがとても必要ではないかということを要望している方が多いと思うんです。例えば、大通からの
アクセスとか、また札幌駅からの
アクセスとか、それをきちっと
位置づけてくれれば、観光客にとってはとてもわかりやすくていいのではないか、そう思うんですね。ぜひ、この部分も要望として考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆
宮村素子 委員 私からもお伺いしたいと思います。
今回の
基本計画(案)について、説明もありましたし、見せていただきました。これは、要するに、そもそも老朽化がひどい
藻岩山ロープウェイと、それから、
展望台などの
施設整備と
バリアフリー化をする、それによってお客さんをふやしたい、そういった構想になっています。確かに、今回の整備をすることによって、安全性が向上することと、そして、行った人にとっては快適さが提供されるというのは確かであります。
ただ、それをもって
魅力アップと言うのかどうか。
藻岩山の魅力とは何なのか、この構想をつくるに当たってどんなふうに考えてきたのか、まず、それを伺いたいと思います。
◎昔農
観光部長 藻岩山の
魅力アップという部分に関しまして、やはり、一番の
コンセプトは、何といいましても、大都市のすぐそばにこれだけの原生林があるということ、当然、みんな、ふだん目にしている部分ではあるのですけれども、その中に入っていく方々は――もちろん、登山で毎日上がっていらっしゃる、本当に山を愛していらっしゃる方がいっぱいいるにもかかわらず、なかなかその実態をおわかりにならない方々がかなりいらっしゃるだろうと。
それから、今回、
藻岩山を新たに
魅力アップしていくという部分に関しまして、まず、我々の財産である、市民の財産であるこの
藻岩山をよく知っていただくと。緑の大切さとか、本当にたくさんの木々、小動物、鳥等がいるこの身近な施設を何においてもまず市民にわかっていただき、そして、その中で、市民が喜ぶものでないと観光というレベルにつながっていかないだろうというのが我々としては非常に大きくございます。そのために、我々といたしましては、確かに、先ほど申しました建物等に関しての古さといったものもございますけれども、何においても、だれもがバリアなくこの山に登っていける。そういった施設というのは、恐らくほかにないと思います。それだけに、もっともっと市民の方々に身近なものにしていこう、そして、観光客の方々にも喜んでいただこうと。
それから、現状でまいりますと、ちょっと聞かれていないことを言っている部分があるかもしれませんが、要するに、上の部分で、やっぱり憩える場をつくろうということです。環境という部分、散策路の整備等を含めて、まずこの環境を大事にしようという気持ちを
コンセプトに
藻岩山の魅力を上げていきたいというのが今回の大きな部分であると我々は考えております。
◆
宮村素子 委員 まず、この
藻岩山を市民に知っていただいて、愛していただいて、そして誇りに思ってもらう、その精神が息づいた施策、具体的な方法論がやっぱり観光客の心を打つものになるのだということをおっしゃったのだろうというふうに思うのですが、果たして、市民は行きたいというふうに思うか。行かなくても、札幌市にあるシンボルとしての
藻岩山の存在というのは、市民にとっては、意識しなくても、心の中には、また、形としても現実にどんな方向からでも見えるわけですし、四季折々に楽しめる。そういう意味で、行かなくても
藻岩山の存在というのは市民は理解しておりますね。
ただ、今回の整備に当たって、約30億円をかけて整備するということですが、先ほどとんでん平委員もおっしゃったように、この予算規模、事業費というのがはっきりわかんないじゃないかと、そういう話でした。私も、今回、皆さんに魅力を発信するための整備計画としておおよそ30億円というのはずっと耳に挟んできたことですが、それぞれにどれだけの費用がかかるのかということは先ほど説明がありましたけれども、それを足したって28億円にならないわけですね。そうすると、私たちは、この
魅力アップ、今回の整備が本当に
魅力アップになるかどうかというのはちょっと疑問でありますが、少なくても、28億円の規模がこの改修、改装に妥当なのかということの判断も、それから、費用対効果の面から見ても、私たちが判断する材料というのは何も出ていない。構想として、こういうふうにしますということは出ているけれども、それと費用との関連は全然出ていなくてそれがわからない。ですから、今回の提示の仕方は、予算委員会もありますからその中でしっかりと確認していかなければならないのかなというふうに思いますが、そういう意味で十分な資料の提供ではなかったな、そんなふうに申し上げたいと思います。
それから、今回は再整備です。きょうの新聞にも出まして、やはり、ちょっと、おっというふうに思いました。なぜ、こちらが先に出るのかというのが1点ですね。新聞の方が先に出ている。それに、もともと、新会社を設立して、大規模な計画をして、もっと魅力を、そのときの魅力と今の魅力が一致するのかどうかですけれども、もっともっと集客を呼び込めるものにしようとする計画であったんだろうというふうに思うわけですが、その新会社でやろうとした事業計画というのはどんな計画だったんですか。
◎昔農
観光部長 お答えします。
新会社と申しますか、前回の中でいろんな議論をいただきましたSPCでございます。これを一つ、きょうの新聞に出てしまいましたけれども、私もなぜだという形で見ましたが、それを言わせていただきますと、基本的に、まず、この整備に当たりまして、この中で一番最初にやろうとしていたときは34億5,000万円ほどと出させていただいておりました。この部分で、実は、今回の計画は、新会社をつくらず、振興公社がみずから借金し、そして
プロポーザル事業者と共同でやっていこうとしている部分でございます。それが28億円程度のものになります。
そこの部分でまいりますと、実は、一番手をつけていないのは一番下の部分でございます。山ろく部分の開発ですが、先ほど申しましたとおり、車寄せして
エレベーターで上がると。実は、前の構想は、下の通路、下の坂道の方から、ずっと下からまいりまして、山ろくのところの駐車場までをまず
スロープカーで動かそうという案がございましたが、これを断念せざるを得なくなった。それから、もう一つありますのは、下の駐車場でございます。あれを2層式にするとか、あわせまして、今の駐車場から道路を抜けて階段を上がっていく部分の改装に関しては、その駐車場から真っすぐ
エレベーターで上がって、空中歩行して
ロープウエー駅に上がるという部分を計画しておりました。
しかし、結局、この部分を一切やめました。そして、そこの部分に関しては、この予算の中でできる限りの
バリアフリーといたしまして、先ほど申しましたとおり、真っすぐ車で行ってもそれからなかなか階段を上がっていけない部分を、土を切りまして、真っすぐ
ロープウエーに上がる
バリアフリー化を考えていくということでの縮小を考えました。
それ以外の部分、途中からの
ロープウエー、
スロープカー、
展望台に関しましては、何とかこの28億円程度の中で十分できるであろうという考えの中で我々は計画しておりますので、そういう意味では、非常に厳しい時代背景ではございますけれども、
展望台に関しましては大変魅力あるものとなっていると我々としては考えております。
ただ、そのほか、後ほど予算特別委員会の方でまたお話しさせていただく形になろうと思いますが、これで確定していきますと、今のハードのほかに、周辺環境整備としまして、例えば給排水、
中腹駐車場、自然レクチャー施設とか、そういったもののつくりもございますし、あわせて、
札幌紹介施設だとか登山者休憩施設、それから歩道の美装をもう一度やり直そうといったことも含めまして、トータルして大体28億円ぐらいです。当初考えておりました下の部分が若干落ちますけれども、それ以外の部分では十分に魅力あるものとなっていけるものと私どもは考えております。
◆
宮村素子 委員 下の部分は、いわゆる電車からおりて
ロープウエーに上がるところですね。確かに、あそこは、利用するに当たって余りいい状況ではない現状にありますね。そこのところは、多少の手直しをするけれども、抜本的な改革はできない。そういったところは、当初考えたものから縮小しているということですね。
しかし、その入口のところは、上も大事だけれども、やっぱり入口のところも大事であります。さらに、市民が意見で求めているのは、電車をおりてからそこへ行くまででも
アクセスが悪いじゃないかと言っているわけですね。ですから、そこも含めて、
ロープウエーに上がっていく、その間の期待感、わくわく感、そういうものもしっかり受けとめるような整備、そこはやっぱりもう一度見直すべきではないかなというふうに思うのですね。予算としてはこうだから、ここは抑えるというのではなくて、今、魅力というのは、本当に何が魅力かというのはいまだにわかりませんけれども、この魅力を高めて、行きたいと思えるようにするために整備をするということでは、やはり札幌市はもうちょっと予算をかけるべきでありまして、もっとしっかりやるべきだな、そんなふうに思います。どうですか。
◎昔農
観光部長 そのご意見は、我々としても受けとめなければならない部分はございますが、今、この大変厳しいときに、我々といたしまして、なぜそういった中でもこの事業を進めていかなければならないかという部分でございます。
今回の雪まつりも、何とか200万人という数字を達成できました。これは、我々としても本当にびっくりしているぐらいの状況でございます。今、観光事業をやっていらっしゃる方々、それぞれの中におきまして、このまちにはいろいろな施設がございますが、やはり、観光事業者の方々にとりましては、
藻岩山がこのままの状況であれば我々としてもお客様を持っていくには非常に寂しい施設であり、これは業界にとっても切実な問題でございます。そういう中のものを今後整備していく中で、どれだけ、ある意味、お金を使わないでという言い方はしません。市民の税金を使ってでも、施設に魅力をつけていこうということでございます。
市費をどんどん投入してでもという話自体に関しましては、今回、私の段階ではちょっとお答えしにくい部分もございますけれども、
藻岩山の
魅力アップという部分に関しましては、これから
実施設計等々に入っていく中にありまして、最大限魅力あるものにしていきたいという思いは我々も強うございます。その中で、この程度かと言われる形でないものにしてまいることで、振興公社も含めまして、我々も入った中で強く進めてまいりたいということでございます。
◆
宮村素子 委員 意気込みはわかるわけでございますが、さらにお聞きします。
新会社設立断念と新聞に大きく出ておりますが、その決定的な理由とは何なのか、伺いたいと思います。
それから、振興公社がかなりの費用を負担してこれからやっていくわけです。今回の1定でも、我が党の勝木議員が振興公社のこれからのあり方について伺っております。少なくとも不採算部門の管理運営をやっていて、今は何とか黒字であっても、この社会経済状況から見ますと、かなり近いうちに赤字転落というふうな方向を歩むだろうという危険性が高い。そこのところに抱かせるわけですから。
しかし、札幌市としては、お客さんをおもてなしする心意気ですべてを考えていけということが市長の言っていることかなというふうに思っているのですよ。それと、私たち札幌市は、観光が産業として大きい立場です。そうすると、先ほど言ったように予算規模がちょっと縮小されているのと、本当にどこの部分でも来た人に満足を与えるようなものになっていないということについて、やはりこれはいかがなものかというふうに思うのです。
そういうことからいって、公社にこれを任せていって本当にいいのかどうか、札幌市の負担割合をもっと高める必要があるのではないかと思うわけですが、その2点を伺いたいと思います。
◎昔農
観光部長 我々は、国からの出資を得るためということでのSPCをぜひともやりたいということでございました。このSPCを受ける中では、札幌市が出資しても国からのお金は出ません。振興公社で出せるのも4分の1です。そういう意味では、4分の1は民間からの出資ということが前提でございました。しかし、サブプライムローンから始まります民間からの投資がこの段階でどどどどっと落ちてまいりまして、結局、民間からの出資がない、確保が難しくなってきたという部分がございます。民間からの出資が小さくなりますと、振興公社としてもその分しか出せません。その二つを合わせた分しか都市開発推進機構からの出資がないということです。当初、見込みましたのが2億円、2億円、そして、国から4億円いただいて8億円という一つの財源を我々としては確保したかったのです。しかし、残念なことに、そういった意味で投資が落ちてしまい、一番最初にございます民間からの投資が小さくなってしまったものですから、別会社をつくってまでの効果が上がらないという判断が振興公社と我々が協議した中で出てきた話でございます。
もう一つは、事業費が下がったという部分でございます。そうしますと、今回の再整備に関してはどういう形になっていくのかというと、当然、事業主体でございます振興公社がみずからの手持ち金を出し、さらに振興公社が融資を受ける。ただ、管理運営に関しましては、
プロポーザルの中で
展望台の運営はかなりなプロにやっていただけるような形で考えておりますので、その中では振興公社の持ち出し金は非常に多いわけでございます。ただ、経営に関しまして、今、我々も振興公社に確認しておりますけれども、非常に無理な状況にはなってはいかない形でいこうと考えております。
もう一つございますのが、
藻岩山の運営に関しまして、収益部分といったところで現実には年間で赤字を出しておりますけれども、これを無理なくある程度のお客様に来ていただけるような形の収支計画を立てました。そして、新しい施設が魅力あるものになる、新規になるという部分での集客を維持できるということも見込みました。
そういう意味では、現状の振興公社は、委員のおっしゃった将来的に厳しくなるという部分に関して、それほど影響なく整備できるように進めているところでございます。
◆
宮村素子 委員 今、いろいろ伺いました。再度、申し上げておきたいのは、
藻岩山にとっては久々の大きな改修といいますか、
整備事業であります。38年ぶりですか。
そういうことであれば、これから、外国から来る方、本州から来る方、道内、市内など、それぞれから来た人に本当に喜んでもらえるような
藻岩山だねというふうに言われるように、
ソフト事業をしっかりやっていただきたいとは思いますが、局長、予算的にはもうちょっとかけて、本当にこれぞという構想に、取りやめたところなども含めてそうならないものでしょうか。
◎梶原 観光文化局長 今、委員の思いを聞いて、大変心配していただいておりますし、ほかの委員の方も本当に心配していただいていることがわかりましたので、今、ここで
事業規模を大きくすると断言できませんけれども、そうした部分について、もう一回、職員と話し合ってみたいと思います。
◆三浦英三 委員 私からも少し伺いたいと思います。
藻岩山の整備につきましては、予特の委員会などでも、いろんな議員の方が、給排水のこととか、
バリアフリーのこととか、路面電車間の結節がきちんとなっていないとか、いろんな意見をずっと述べてきたと記憶しております。その割にはなかなか整備が進まないというか、話ばかりで進まないなという感がちょっとあるものですから、私から根本的なことを質問させてもらいたいと思っております。
今回の
藻岩山再
整備事業というのは、札幌市において策定した
藻岩山魅力アップ構想をベースにしまして、
札幌振興公社が主体となって実施する再整備である、こういうふうに認識しているところでありますし、そのようにも書かれております。私は、
藻岩山というのは札幌市民の本当に大きな財産だと思うわけです。確かに、振興公社は施設の管理運営などを担っていただいておりますけれども、札幌市がもっとかかわっていくべきである、このように思うわけです。そこが進まない一つの原因ではないかと思うわけです。
振興公社につきましては、札幌市が大きく関与しているというのは、出資率82.2%を札幌市が出資していると。では、それ以外にどういうことがあるのかというのを1点お聞かせ願いたいと思います。
あわせて、今回の振興公社の
基本計画(案)に当たって、札幌市はどこまで関与しているのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎昔農
観光部長 委員のお話のとおり、札幌市は82.2%という非常に大きな出資をしております。当然、この事業に関しましては大きく関与しておりますが、それ以上に、今回は根本的にというお話でございますので、まず、観光部というスタンスになりますと、
藻岩山という集客交流施設に関してどれぐらいの中で札幌市が大きく関与していくのかという話になっていくかと思います。
我々としても、
藻岩山というのは、校歌とかいろいろなところで歌われている心の山であるということでございます。したがいまして、
札幌振興公社が所有管理しているとはいえ、これは市民の生活とも非常に深くかかわっている部分であります。(発言する者あり)そういう意味では、当然、我々としても大きくかかわっていかなければならない存在であるということは十分認識しているところでございます。
その中で、再整備に当たりまして、我々札幌市としてどれぐらいの中で関与していくのかという部分でございますけれども……(発言する者あり)
○
伊藤理智子 委員長 答弁を続けてください。
◎昔農
観光部長 申しわけございません。
まず、いろいろな形での関与という部分に関しまして、この82%の中で、札幌市はそれだけの株主であるにもかかわらず、ほとんど丸投げで何も関与していなかったのかという部分でございます。
我々としては、これまで、
藻岩山をどうしていくか、どうやっていくかという部分に関しまして、正直、振興公社に任せている中ではまず進んでいかない、また、議会等からのいろいろなご意見もいただいた中で、このままでいったら、いつまでたっても――まさに
バリアフリーの問題とか
アクセスの問題などはかなり進めていかなければならないだろうと。特に一番大きく動き出しましたのが、
市民意見を聞きました16年、17年あたりから徐々に徐々にその意見が盛り上がってまいりました。そして、我々の方でいろいろな調査をいたしました中で、今やっと設置の計画(案)にまでたどり着いたところでございます。これをさらにこのまま延ばしてまいりますと、また1年、1年、1年とおくれていくことになりますので、我々としても、この整備に関しては本腰を入れていきたいというところで、今、関与をしているところでございます。
◆三浦英三 委員 きょう、提出された資料の中の資料編の調査の経緯を見てもわかるように、2000年以降の主な調査内容と書かれておりますけれども、それだけでもいろんな各種調査を何回もやられているわけですね。各局でもやられています。この一連の各種調査は、今の計画案の中に全部きちんと盛り込まれているのかどうか。この調査と今回の計画案はどういう関係性になっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎昔農
観光部長 各種調査との関係ということでございます。
現在でこそ、来場者は順調に増加いたしておりますけれども、かつてはどんどん減少が続きました。その活性化の必要のために、以前からいろんな調査は進めてまいりました。あわせて、老朽化が進行している状況を踏まえた
施設整備のあり方について調査等をこれまでも続けてきたところでございます。また、
自然環境を守るということも当然考えていかなければならないという中で、大型な建設工事を実施する場合は
自然環境に対してどのような影響があるのか、それを押さえる調査も実は必要でございました。
今回の施設再
整備事業は、過去におけるいろんな事業を集大成した中で、その調査の結果と、さらに、何よりも市民や有識者のご意見を十分踏まえてここまでたどり着いたところでございます。
◆三浦英三 委員 最後に、先ほど、部長が今後のスケジュールを言われていました。これから
パブリックコメントをやって、
基本計画が確定して、そして、
基本設計に入っていくと。新聞によりますと、2010年に
展望施設が完成されるというスケジュールになっているみたいですが、スケジュールについて、具体的にここまできちんとこの計画案に基づいてやって、何年度までにきちんと
藻岩山が整備されるのだという決意、または状況を教えてもらいたいと思います。(発言する者あり)
◎昔農
観光部長 今年度中にこの
基本計画(案)を上げることができましたら、次に
パブリックコメントを経まして、その後はいろんな意見を主体といたしまして、今度は
実施設計に入ってまいります。その
実施設計が上がった段階で本格的な工事ということになりますが、我々といたしましては、何とか22年度中、23年3月までに、これは一日も早く完成させたいという考え方でございます。
◆三浦英三 委員 23年3月までに完成させたいということで、いろいろこういうふうに計画案も示されていて、イラスト等もたくさんかかれていますけれども、先ほどから意見が出ているように、やはりお金が大事だというふうに思うわけです。先ほど絵にかいたもちにならないようにという話もありましたけれども、お金がないから、予算がないから継ぎはぎの整備というのではなくて、38年ぶりの整備だということも聞いていますので、どうか抜本的な整備をきちんとやっていく、そして、札幌市としても、4億円ではなくて、もっとお金を出して整備をやっていくということでぜひとも取り組んでもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。
◆坂ひろみ 委員 私からも、幾つか質問をさせていただきます。
まず初めに、これまでの経過についてです。
2004年度から、公募の市民や専門家、事業者を交えた懇談会の開催、それからシンポジウムやフォーラムなど市民参画という視点では大変丁寧に議論を重ね、その中で課題と挙げられた
ソフト事業の展開については、
藻岩山魅力アップ推進連絡協議会を立ち上げ、即実行に移すなど、官民協働で取り組まれてきた結果、
利用者数が伸びるなど着実な成果を上げている点は高く評価をしております。
しかしながら、継続した取り組みと新たな仕掛けなどがなければ、幾ら施設がリニューアルしても、
リピーターや新たな利用者増は難しいものです。再整備を機に、公社と連携を図りながら、市民との協働で引き続き
藻岩山の
魅力アップに努めていただきたいというふうに思っております。
そこで、まず先に2点ほど質問いたしますが、質問の1点目は、入場者数の数値目標についてです。
基本計画(案)の7ページに、再整備による利用者人数の設定、トップクラスの
利用者数を目指すというふうに書いてありまして、具体的な目標数値が入っておりません。先ほどの部長の説明では、トップクラスの
利用者数というものは、平成19年度のさとらんどの87万人ということでそのあたりを目指すという説明で、明確ではありませんでした。
今回の
基本計画(案)は、公社が出した施設の再整備計画ですので、そこまで目標数値が入っていることが本当に必要かどうかはいろいろご意見があるかというふうにも思いますけれども、
魅力アップ構想も大きな方針的なものでありますが、これもまた目標数値が入っていません。
そこで、今回、市の事業評価調書というものを調べてみました。すると、ここには単年度ごとに入場者数の目標数値が入っています。2004年度から2007年度までは50万人を目標としておりますが、2005年から取り組んでいる
ソフト事業の充実に伴う入場者数の増加により、2006年度に50万人を突破していることから、2008年度の目標数値は51万7,615人となっておりました。
今後も事業を発展させ継続していくためには、私は評価指標にもなる中長期的視野に立った数値目標が必要と考えますが、この点いかがか、伺います。
質問の2点目は、まず
札幌紹介施設等に係る
基本設計について、札幌市負担金4億円の使途について、公社の経営状況について、あわせて3点伺いたいと思います。
本市は、2007年度に札幌市紹介施設等
基本計画を策定しており、2008年度の事業には
札幌紹介施設等に係る
基本設計が盛り込まれています。その内容は、
札幌紹介施設と登山者休憩施設とのことです。しかし、本日提案されています振興公社からの
基本計画(案)にも、18ページに両施設に関する記述があります。その辺の事情が市民には大変わかりづらいと思うのですが、
札幌紹介施設と登山者休憩施設については、振興公社と札幌市の間でどのような整理がなされ、役割分担されているのか、伺います。
また、再整備に係る市の負担金額は、先ほどの質疑の中では総事業費が28億円、公社の内訳は、先ほどの数値で足し算しますと26億円ということになりますけれども、金額が示されておりまして、市の負担金額は4億円というふうに聞いております。その内訳としては、インフラ整備と
札幌紹介施設ということです。具体的なかかわり方や負担のあり方等については、今後、
基本計画が確定し、林野庁の確認がとれてからでないとはっきりしないというふうには思います。いずれにしても、例えばハードな部分で言えば、国の土地であったり、建設、所有は公社であるという状況から、市の関与、連携に当たっては、例えば買い取るのか、借りるのかといったことも出てくるのではないかと思うのです。
そこで、2点目に、現段階での市の負担額は4億円ということになっていますが、その内訳の詳細と、今後の状況によっては不足ということが起こらないのかどうか。また、市の財政的負担についてはどういう形態になることを想定し、公社とどのような認識を共有されておられるのか。
3点目に、先ほどちらっと赤字という話が出ておりましたけれども、振興公社のこれまでの
藻岩山に関する事業の経営状況についてもあわせて伺います。
◎昔農
観光部長 この計画案につきまして、数値目標の必要性ということでお話がございました。
この
基本計画(案)におきましては、再整備後に市内の主要観光施設のトップクラスということでこちらの方では書いております。例えば19年度の例で考えた場合、具体的には初年度から何とか90万人を目標にしてまいりたいと思っているところでございます。それ以降の入り数に関しましても、当然、だんだんに下がっていく部分はございますが、それにしましてもいろいろな
ソフト事業を加えた中で何とか高水準を保っていきたいと考えているところです。
長期的な施設の維持、運営管理や事業を進めていく中では、当然、集客の数値設定は我々としても非常に重要であるという認識を持っておりますので、ご指摘いただきました長期的な数値目標の設定をしっかりやるように公社に働きかけてまいりたいと思いますし、我々もそれに対しては関与してまいりたいと考えております。
次に、
札幌紹介施設、登山者休憩施設等の整備と役割分担及び市の負担金の内訳と今後の状況、公社との認識の共用について、一括してお話しさせていただきます。
今回の再
整備事業は、総体事業費はおおむね28億円程度でございますが、事業主体におきまして大きくは三つの整備に対象が分かれております。一つは、
展望台、
ロープウエー、
スロープカー施設など、民間収益事業として公費の投入が全くない事業部分でございます。二つ目は、
給排水施設、駐車場、
自然学習歩道、山麓駅車寄せ、
エレベーターなど、いわゆる周辺環境整備として基本的に施設への
アクセスや環境の改善のために実施される事業部分がございます。三つ目が、ご指摘いただきました
札幌紹介施設、登山者休憩施設のほか、山ろく部分の
水道記念館との散策路整備や歩道の美装など、基本的に札幌市が全額事業費を負担する部分がございます。
このうち、札幌市の4億円と計画されている負担が発生しますのは、二つ目の周辺環境整備と三つ目の公的な事業でございます。周辺環境整備につきましては、施設ごとに公社との負担割合を決めて整備を実施する計画でございます。さらに、札幌市負担分の4億円のうち4割は、国の補助制度でございます
まちづくり交付金を活用するものでございます。
札幌紹介施設につきましては、
山頂展望台内の一角を活用して設置する計画の施設でございますが、昨年度策定いたしました
基本計画は、あくまでも
札幌紹介施設単体としての必要性や機能の検討を行ったものであり、
展望台施設全体における調整は今後の設計作業に入ってからということで振興公社側とも整理がなされており、登山者休憩施設につきましても同様の考え方で検討を行っていこうと考えております。
それから、振興公社の
藻岩山事業に関する経営状況でございますが、
藻岩山事業のみをとりますと、経営的には今は赤字でございます。しかし、リニューアルを機に事業展開のあり方を見直し、さらなる集客増により経営の改善を図るよう、我々といたしましては強く指導してまいりたいと考えております。
◆坂ひろみ 委員 数値目標についてですが、重要というふうに認識されているということで、90万人という数字も今出していただきました。また、市としても、中長期的な設定を公社に対して働きかけていきたいというご答弁でありました。
もちろん、ここは公社が担っている部分ですので、公社としても目標数値を出して事業転換を進めていくということは当然であります。ただ、市も、公社に対して出資して、必要と思ってつくった団体ですので、当然、その関与のあり方には市の強い思いが生かされていくべき団体だというふうに思っております。また、札幌市としても、市の
まちづくり総体、全体で考えても、観光、経済、その他の部分で考えても、
藻岩山の整備というのは大変重要な位置を占めているわけですね。
そうした中で、観光文化局として、
藻岩山の事業に対して市としての目標数値がきちんと市民に対して明らかになっていないのは、私はやはりおかしいと思うのです。これからますます大々的に再
整備事業をするわけですから。私が調べて、調べて、事業評価調書に初めて目標数値が入っていた。しかも、ずっと50万人で推移していたのが、たまたま
ソフト事業の効果で上がったから、2008年度から51万七千六百何がしという数値になっていますけれども、単年度ごとに数値目標が掲げられるのであれば、リニューアル後に、もし継続していったものが下がってきたとき、下がってきたから単年度の目標数値を下げますといったことも可能なわけですよね、内部でやる分については。
そういうことでは、やはりだめだと思うのです。これだけのお金を投入して再整備をするわけですから、関係部局も含めた札幌市としての目標数値を、局長、ぜひきちんとした形で示していただきたいということを強く申し上げておきます。
それから、お金のことにつきましては、内訳的なところも含めてご答弁いただきましたので、理解をいたしました。
冒頭、私は、
ソフト事業で
利用者数が着実に伸びたということで評価をしました。しかし、これまでの質疑の経過も踏まえまして、これだけ
利用者数が伸びないこれまでの経過の中で、では、公社が
利用者数を伸ばすためにどれだけ努力をしてきたのか、また、それを所管する札幌市としてどれだけ市の経営責任を果たしてきたのか、どれだけ関与してきたのかということについては、公社の責任と出資者である市の経営責任は本来であれば問われるべきところなのです。そこのところを、たまたま今回
ソフト事業が功を奏して
利用者数も伸びているし、これからリニューアルをして、それを引き続き継続していくのだという意思も示しておられますので、そこは評価をしております。しかしながら、これまでの経過を踏まえますと、公社と市は、この問題をしっかりと踏まえた上で再整備に臨んでいただくべきだということを指摘として言わせていただきたいと思います。
そこで、再質問です。
一つ目は、建設への
市民参加についてです。
先ほどお話ししました
札幌紹介施設等の
基本計画策定に向けて、コンサルタントが市へ提出した同計画の
業務報告書を資料で拝見いたしました。その中で、建設への
市民参加方式の導入が提案されております。公共施設建設に素人の市民が参画するということは、工事請負業者並びに事業者にリスクや負担をかけることにもなりますが、
自然環境への負荷や影響を極力少なくする努力をしながら工事を進めていることや、市民の方にそうしたことを理解していただき、市民もまた再
整備事業に直接参加することで
藻岩山をより身近に感じ、愛着を持っていただく機会となるなど、
市民参加の意義があると私は思っております。
そこで、安全管理を最大限確保した上で、限られた小さな工事、例えば壁の角ログ積みや屋上緑化の種まきなどに
市民参加を呼びかけ、イベントと
位置づけるのも有効であるという提案については、市としてはどのようにお考えか。
また、市の負担する部分の工事でも、公社が実施する部分でも私は構わないと思うのですけれども、こうした
市民参加の導入をぜひ実現すべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
質問の2点目は、
施設整備に当たっての基本的な考え方と公社との連携についてです。
藻岩山の再
整備事業を進めるに当たっては、札幌市と振興公社との連携は不可欠です。振興公社への市の出資率は82.2%と高いとはいえ、所有者、管理者はあくまでも振興公社であり、それぞれの立場は微妙に違う部分があると思います。
札幌市は、環境への配慮や、利用者でもある市民の利便性の向上、それから、財政的な部分では、税金である公的資金の使途について、費用対効果や、何より市民の理解が得られることが大切です。また、公社は、事業者として経営重視でありますから、採算がとれることが前提にあり、収益を上げることを当然考えます。採算がとれなくなると、結局、市が出資者としてさらに負担をすることにもなりかねず、そうなっては建設時にコスト削減に取り組んでも意味がありません。したがって、利用者の利便性とコスト、そして収益の三つの視点が大変重要であり、事業をトータルで総合的に検討、判断することが必要です。そういった視点が、本計画(案)に示されています設計VE、バリュー・エンジニアリングという考え方にも共通するというふうにも思っているわけです。
ただ、市は、市民の理解や議会の合意を得ることと財政的な問題を抱えつつ、出資団体への出資者としての立場があり、さらに事業のパートナーとして公社と連携を図るため、立場上、難しいことが多々あるのではないかと推察いたしております。しかしながら、
藻岩山は札幌市のかけがえのない財産でありますので、札幌市がしっかりとリーダーシップをとって進めるべきと考えます。
そこで、今後、具体的に
実施設計、工事着工と進む大事な時期に差しかかってまいりますが、振興公社と連携しながら再
整備事業を進めるに当たり、本市の基本的なお考えを伺います。
また、
藻岩山の再
整備事業は、本市にとって観光、経済、文化、環境、教育などとも密接に関連しており、
まちづくりという大きな視点でとらえるとき、本市の果たすべき役割は非常に大きなものがあります。出資者としてリーダーシップをとり、新たな札幌の
魅力アップを目指し、進めるべきと考えますが、振興公社とはどのように連携を図っていくおつもりか、あわせて伺います。
◎昔農
観光部長 お答えいたします。
1点目の建設への
市民参加でございますが、再
整備事業への市民の直接参加は、環境への配慮についての理解や施設への愛着、さらには、施設リニューアルを広く市民にPRすることにもつながりますことから、その実現については可能性を探ってまいりたいと考えております。建設ではなく、
環境配慮ガイドラインの進捗管理に当たり、市民の皆様に実際に建設工事の状況を確認していただくことは計画しておりましたので、これらとあわせて検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、再
整備事業を進めるに当たっての基本的な考え方と公社との連携のあり方について、まとめてお答えいたします。
この再
整備事業を進めていくに当たり、外に見えるテーマといたしましては、環境の保全と
バリアフリーでございますが、内なるテーマといたしましては、公社を中心として、札幌市、
プロポーザル事業者、さらにはさまざまな
関係機関との調整、連携の中でいかにバリュー・エンジニアリングを実現していくかということでございます。
札幌市といたしましては、この再
整備事業を
藻岩山の単なる施設のリニューアルとしてとらまえるだけではなく、ご指摘をいただきましたように、分野的には観光、経済、文化、それからスポーツ、環境、教育などが密接に関連し、地域的にも
藻岩山だけでなくその周辺、さらには、市電等を介して交流人口が増大することとなる市電沿線地域のにぎわいづくりになるといった大きな視点での
まちづくりの一環としてとらまえていくことが必要であると考えております。
こうした観点からも、この事業の中心となる
札幌振興公社の役割は大きいわけでございますが、札幌市は、この事業に関する多くの
関係機関、事業者のコーディネーターとしての役割を果たし、事業を円滑に進行させることにより、市民の皆様に
藻岩山の資源を最大限に生かしたすばらしい施設、環境を提供できるように、我々としても頑張ってまいりたいと考えております。
◆坂ひろみ 委員
市民参加については可能性を探っていくというご答弁がありましたので、ぜひ導入を進めていただきたいというふうに思います。
それから、今回、非常にわかりづらいのは、市と公社という連携だと思うのです。ある部分になると、答弁の中でもちらちらうかがえたように、公社に働きかけていきたいとか、公社に、公社にという言葉がございました。公社としても、任されている部分については公社の事業として責任を果たしていくのは当然のことでありますけれども、余りいろいろなことを言われると、それは札幌市がというような意見があると思うのですね。ですから、これから本当に具体的な時期に差しかかっていきますので、公社と市が、言葉は悪いですけれども、責任転嫁するようなことがないように、しっかり連携を果たして、市はその中でもしっかりリーダーシップをとって進めていただきたいということを強くお願いしたいと思います。
今回の
基本計画(案)も、建前上は、一応、公社の
基本計画(案)というふうになっておりますけれども、当然、これに至る経過については市が共同で進めてきたということで、これは市と公社の共同でつくり上げた
基本計画(案)というふうに受けとめております。何度も言いますけれども、複雑なのは、進める側が公社と市と二つあって、その両者の合意案を林野庁が最終的にオーケーしないと最終計画が決まらない、それが決まらなければ何も進められないといった点で、今、質疑をしているということです。
今後、公社が
パブリックコメントを実施して最終的には案を固めますけれども、林野庁の今後の判断によっては、例えば、一部、計画の変更も余儀なくされる部分が出てくるかもしれないということも考えておりますので、
基本計画が固まりましたら、マスコミの報道などもありますので、ぜひ議会へもきちんと事前に報告をしていただくことを強く求めておきたいと思います。
また、
市民意見の反映は欠かすことはできませんので、
パブリックコメントについては、きょうの質疑の経過も踏まえてわかりやすい表現とするよう求めて、私の質問を終わります。
◆宮本吉人 委員 段々の各委員の皆さん方のお話で、この計画の唐突な出され方、あるいはこういった経緯の中で現在を迎えていることに対しての異議というか、あるいは意見というか、全面的に受け入れますというふうな雰囲気でないということはおおむねはっきりしてまいりました。
私は、かねてから、この問題につきましては、あの
藻岩山のふもとで小さいころから育って、毎日毎日、
藻岩山を眺めて、
藻岩山に守られて育ってきたようなものでありますから、特にこのたびの
藻岩山の
魅力アップ構想等々につきましては、かねてより多くの意見を求めながら検討してきたことについては知っておりました。また、それにあわせて、私自身も、この
藻岩山の利用というか、活用というか、今話にも出ていましたように、これは市民の財産である、ましてや、この
藻岩山は世界に誇る観光地としての大きな目玉の一つであります。そう考えたときに、いずれはこのケーブルカーも改修しなければならん、そして、現在のいろいろな問題についてもその時点でしっかり論議をしながら最善の方策をしなければならんというふうに思いながら今日まで至っていろいろなことも検討してまいりました。
ところが、昨年3月に、突然、具体的な事業がぼっと出されてきたのであります。私は、その時点で、何じゃい、これはと。今まで、いろんな論議をされ、市民の意見を聞いたりいろいろなことをやってきたのですが、それはあくまでも
藻岩山全体の
魅力アップ、ソフトの分野でのいろんな検討や話し合い、そして、作業をやってきたというふうに受けとめていましたから、それにあわせて、より具体的な部分、特に重要なケーブルカーの部分については、当然、それからいろんな論議がなされた上で、ベターな方向でなされるだろうと思っておりましたから、とんでもない話ということでいろいろと突っ込んだ検討をしてまいりましたら、案の定、この部分においては、何か知らん、わけのわからんところでごとごとごととつくってしまって、もう、あたかもこれが最善の方法、これしかないんだ、そして、現在、資金がこのぐらいしかないから、これでやるんだと。こんなばかなことが、今、堂々と提案されてきた。とんでもない話です。
今、話に出てきましたように、38年、40年ぶりにこの
藻岩山のケーブルカーが改修される。その中間においては、当初は、ゴンドラかな。当初はゴンドラの小さな部分が、途中からケーブルカーにかわった。そして、その中においても、中腹駅から頂上までリフトということでやっていたけれども、このリフトも老朽化して、冬も寒いと。夏は大変いいけれども、冬は、とてもじゃないけれども、あんなリフトは使えない。ましてや、雪が降った、ふぶいたなんていったら、だれも上がる人はない。こんなことから、老朽化したけれども、改修しないまま、現在はバスでつないで、冬はトナカイそりだな。あのトナカイそりも、聞いてみたら、何百万円もかけてつくって、雪上車が引っ張っている。そんなとってつけたようなことをやっていらっしゃる。これも、現状の中での応急的な形だからいたし方ないだろうと見ておりました。
しかし、今現在、この
藻岩山に登っていらっしゃる人数は60万人というふうに報告がありました。そのうち、ケーブルカーとバス、車で上がるのが約50万人、あとの10万人は登山者なのです。登山者こそ、市民であり、
リピーターであります。それ以外は50万人です。これを今、80万、90万、100万人に伸ばしたいということであります。
しかし、私は、これだけの貴重な市民の財産、そして、政令都市の中で、360度を展望できる
展望台を持った政令都市は、唯一、札幌市だけなんです。先ほども話に出ておりましたが、夜景においても、決して函館に負けない夜景を持っております。これが、なぜ
リピーターとしての市民の利用がないのか、さらには、それにあわせて観光客を含めた人たちの利用がないのか、伸びないのか。
函館山だって70万、80万人は登っているそうです。なのに、皆さん方はなぜなのかという根本的な論議をしないで、とってつけたように既存の施設の改修だけでそれをやろうとしていることに関して私は反対でありますから、かねてから抜本的な見直しをすべきだと。
と申しますのは、
藻岩山の
魅力アップ構想の中にも入っておりますけれども、あの
藻岩山にはいろんなものがありますよ。大きいものは、ケーブルカーのほかに市民スキー場、
水道記念館、それから、宗教施設とは言いながら平和塔があるんです。あの平和塔は、私が中学か高校のころにできました。それ以来、真っ白な塔が建っていて、あれが
藻岩山の一つのシンボル、風景から見るシンボルにも見えてまいりました。懐かしい風景です。あれを見るとほっとするんです。どこかから来ても目標になるんです、市内を歩いていても。
こういったものの連携が全くなされていない。ただただ、今までやってきたいろんな
魅力アップ構想のソフト的な検討、構想は、このケーブルカーを改修する目的のために、何か絵にかいたぼたもちみたいなものを、夢みたいなものをわっとかいて、最後、このケーブルカーの事業化を理由づけするためにやってきているような気がするんです。そして、平成23年に完成したいと。市長在任中に何とかしたいということを言っている人もいると聞こえてきました。何を言うんですか。
私は、財源がないのならば、2年置こうが、3年置こうが、5年置こうが、財源ができるまで待ったらどうだと。いや、老朽化がと、もっともそうでしょうと。であるならば、全体構想の中で抜本的な見直しをして、部分的に必要なところから全体構想に合わせた改修なり改築なりをしなさいと。
日本人は、往々にして目先の事業を完成させることに急いでしまうんです。外国の多くの事業を見ますと、全体構想をつくったらば、ことしは、あるいは今期はこの予算しかないからここまでやります、それから後については、予算がいつつくかわからないけれども、ついたらまたこの部分をやります、こうやって大きな事業を何十年にわたって継続して立派なものをつくっていっているんです。
私は、今回、この
藻岩山が改めてこれらの改修がなされる、ケーブルカーの改修がなされたら、恐らく、また30年、40年後になると思います。そのときまで、またこの不自由な状態を継続するんですかと言いたいんです。
今、各委員からいろいろな話が出てまいりました。登り口はこうだ、電車からの
アクセスはこうだ、中間駅がこうだ、
展望台はこうだ、いろんな話が出ました。そういった部分は、30年、40年、50年を見据えた形の中で、今、抜本的に最大限できる手法で考えられることを検討した上でやったとは言えない計画です。だから、私は反対しているんです。
28億円しかないのならば、全体計画の中で、28億円でできる急ぐ部分だけをやったらいかがでしょうか。
展望台に28億円がかかるのなら、それだけでもいいじゃないですか。さらに、予算がついたらケーブルカーの部分と、こういった手法もある。28億円で何でもかんでもやって、とにかく目先事業をやって、そして、やったと。こんなことでは市民としては困るのです。そして、継ぎはぎだらけの工事になって、最終的には、どぶに捨てたと言ったら言葉は悪いかもしれないけれども、むだな投資がなされたと言われるような事業になってしまうんです。
ですから、私は、こういった部分、それぞれの部分を、現実の具体的な事業としてトータル的にした結果、今回はこの部分とこの部分をやりますという事業にもう一回練り直すべきだと私は思っています。今、
展望台とケーブルカーをやって、確かに一時効果でもって何十万人か上る人はふえるかもしれません。しかし、その施設が古くなったら、また40万、50万人の世界に戻ってしまうような気がするんです。それは何かというと、根本的な
魅力アップになっていないからです。
藻岩山全体のトータル的な
魅力アップにつながっていないからです。
私は思うのです。やはり、市民が喜ぶ、そして、市民が
リピーターとしてあの山に登っていろいろなことを喜び合える環境をつくったならば、観光客もどんどん上がるということをおっしゃっていた委員がいた。そのとおりです。今のケーブルカー、
展望台の改修で、市民が
リピーターとして年に何回も上るものになるかということを考えたら甚だ疑問であります。
例えば、スキー場との関係です。冬に市民スキー場としてあれだけ受け入れられている。昔、私が子どものころは、リフトで
藻岩山に上がって、北斜面をおりてきて、今の地崎団地などのあの辺もスキー場だったんです。そういう活用の仕方をしたことを覚えております。急な坂をがりがりやりながら、ひっくり返りながらおりてきて、そういう市民の使われ方もしたのであります。
今、市民スキー場とこの
ロープウエー、
展望台がそういうふうな使われ方をしていますか。同じ
藻岩山でありながら、冬はおまえら勝手にやれ、ケーブルはケーブルでこっちの方でやる、これでトータル的な
魅力アップにつながっていますか。
先般、私の強い要望で、市民に意見を聞いてほしい、そういう場面をつくってほしいということでやっていただきました。すみれホテルに、関係者の何人か、そちらの方で選定した関係者でしょうけれども、集まってきて、その中でいろいろな意見も出ました。そのときにも、こういったことをいろいろな形の中でお話し申し上げました。そして、部長は、冒頭に、この会合の目的について、市民の皆さんや会議の皆さん方のご意見を反映させながら、この
基本計画そのものの参考にしたいという場面でありました。でありますから、私も含めていろいろな意見を言いました。こういった意見が全く反映されないまま、きょうばっと
基本計画(案)が出てきた。
だから、私は、あのときに言いました。だれかがそこで言っていたが、ガス抜きの会合だ、これは。まさに、そのようになってしまいました。こういったことで、この計画を進めて後悔をしないんですか。皆さん方は、3年か、5年か、10年かわからんが、引退しちゃったら私は関係ないと逃げるかもしれない。しかし、私どもは死ぬまであそこにいるんですよ。毎日、山を見ているんですよ。大げさに言えば、子孫まで責任があるんですよ、私どもは。そんな中で、市民と言ってもいろんな方がおられました。だれだか、大したいい計画だからやるべきだと。よくよく聞いたら、転勤してきて、そしてまた、いつ転勤していくかわからない市民だった。だからって、その意見がだめだとは言いません。しかし、そういう無責任な感覚の中でこの事業がなされたら、将来、後悔しますよ、大変な税金のむだ遣いになりますよということを我々は提唱しているのです。
ですから、今、28億円しかないならば、28億円の範囲でやれること、それから、資金なんかも、こういった現在の
藻岩山を非常に――この間も、キノコの会と言って、山に登ってキノコをと、自然と触れ合うのも一つの運動で大変すばらしいなと思います。あるいは、登山をしながら、植物とかいろんなものを体験しながら、森林浴をしながら健康づくりをする。また、登山をしなくても、あの平和塔をお守りしながらあの山を大事にしようと。それから、私の身近な市民でありますけれども、あの
ロープウエー近辺の花壇やら花やら、落ち葉が落ちたら清掃したり、毎日毎日、ボランティアでそういうことをやっている市民の方もいらっしゃいます。多くの市民があの山を愛し、そして、大事にしているんです。その山を、今、虫食いの状態で、とってつけたような事業でつじつまを合わされて将来に禍根を残すようでは困るんです。
でありますから、この計画そのものが、全体構想の中で、ケーブルカーの役割、そして、連携における役割も総合した
展望台であり、ケーブルカーであり、そして施設でありというものを最初にきちっと構築してから、公社が受け持つ部分についてやるべきだというふうに思うのです。
例えば、今、給排水とおっしゃいましたね。給排水は、今、
展望台の水は、スキー場の中腹のあたりから、自然水、要するに地下水をためて、ポンプアップして
展望台に上げているんです。この水は、私は必ずしもいい水だとは思えません。と申しますのは、キツネのエキノコックスの危険もあったり、あるいは、
展望台の排水、今、浄化槽を置いてやっていると言いますけれども、あのトイレの臭さ、排水の浄化槽の環境、あれが漏れて浸透していないとは言えないですよ。それが浸透していったものが地下水になって、また飲まされてと。これが現状ですから、やっぱりこれを早く改善しなければならん。当然だと思います。
しかし、これをやるに当たっても、上下水の配水管を含めた施設は、技術的に今の市民スキー場の中を通るなり何なりしなかったらならないのではないですか。まさか、
観光道路をぐるっと迂回なんかしないですね。となると、スキー場と関連する事業になってくるんじゃないですか。だとするならば、なぜスキー場との打ち合わせをしないんですか。
この間、すみれホテルで打ち合わせたときに、スキー場の関係者が来ていた。そのときに、私は聞きました。こういった問題で、
藻岩山魅力アップ構想の中で皆さん方も参画しながらいろんな意見を言ったんですかと言ったら、きょうの案内があったのが初めてだと。初めての案内で、きょう参画したばかりなものですから、初めて聞いた話ですと。とんでもないことですよ。どうして関係者といろいろ話し合ったなんて。
○
伊藤理智子 委員長 宮本委員、時間が大分たっておりますので、質疑をお願いします。
◆宮本吉人 委員 (続)時間がたとうが、何時間たとうが、これは大事なことなんだ。
○
伊藤理智子 委員長 まず、質疑をしてください。
◆宮本吉人 委員 (続)質疑にいく前に、今の経過の話をしなかったらならないんだ。こんなことで、事前説明しましたからと言って契約されちゃったら終わりますよ。わかりますか。
そうすると、スキー場との関連の工事が出てくるんです。そうしたら、スキー場だって、このついでにリフトの問題を含めていろいろなスキー場整備をやりたいというようなことも起こってくるんじゃないですか。市の事業で多いんです。手戻り工事と言うんだそうです。縦割り行政で、道路を掘り起こした、水道工事をやった、そして、掘り起こして埋めた、舗装し直した、それからしばらくたったらまた掘っている、何だといったら、今度は下水工事ですと。そして、またやった。やっときれいになったなと思ったら、途端に今度はまた掘っている。今度は電気だとか電話だとか、こういうことを何回も繰り返すんです。こういうものを手戻り工事と言うそうです。
今言った連携がなされているならば、市民スキー場だって、そのついでにこうしたい、ああしたい、こうやってやりたいということもあるでしょう。少なくとも、私は、またスキー場に特化しますけれども、冬のスキー場との連携を考えたならば、スキー場と連携した施設、そして、市民が上まで上っていただける構想をなぜ持たないんですか。
今、市民スキー場だって、上に施設がないから、下の狭いところでごちゃごちゃと。あの中腹駅のあたりに広い土地がありますね。あそこら辺に、スキー場におけるヒュッテみたいな、レストランみたいな、夏場はレストラン、あるいは展望、いろいろなことも含めて活用できる施設をつくったり、あるいは、市民の
リピーターをつくるために、あそこに上がって学習するもの、小・中学生が上がって自然体験やら自然学習やら、そこでできるいろいろなものがあわせてできれば市民は上がるんじゃないですか。それに併用して、観光的なもの、いろいろなもので
魅力アップになってくるんじゃないですか。そういったトータル的な構想が何らなされていない。ですから、私は、単に公社任せのこういったものについては反対しているんです。
そこで、公社任せという点で質問させてもらいます。
公社の今日までのかかわりについて調べたくて、たまたま公社はこの問題について随分やっているんだね。29回の会議、打ち合わせをやっているんですね。
藻岩山再整備準備室というところが集めて、過去に29回もやっている。これは、全然、我々に知らされていない。29回もやっていて、全然知らされていない。そして、少なくともこのときだけでも私は知りたくて、このときの議事録を寄せてくださいと。そうしたら、出せませんと言うんです。何でやねんって。何でですか。
これは、公社のあれですからと。ちょっと待てと言って調べたら、観光部の課長も係長も出ているんだ。だから、あなたたちが出たんだったら、その資料はあるべや、それをコピーして持ってこいやと言ったら、出せませんと言うのです。何でだと。
大体、おかしいじゃないですか。先ほどから話が出ているように、公社の資本の80数%を札幌市が持っているんですよ。あとの株は札幌市の息のかかった民間が持っているんですよ。同族会社みたいなもんだ、これは。だから、逆に言えば、その10数%の株主だって、札幌市がこう言ったら嫌だなんて言わないよ。言えない株主なんですよ。そういうことになると、100%、札幌市がその方向に持っていけるという立場にいるのは事実じゃないですか。それに伴って責任もあるという話も出ていましたよ。なのに、なぜこういうことが起きるんですか。
まず、その部分だけ答弁して。
◎昔農
観光部長 この
藻岩山準備室会議の開催に関しまして、まずここの部分でお答えいたします。
29回目を迎えたこの会議自体は、
基本計画の策定作業のために
プロポーザル選定業者や索道関係の企業に参加をいただいて、技術的な支援、教えをお願いしたりして進めているものでございます。これは、あくまでも
基本計画(案)をこの段階で立ち上げるためにずっと続けてきた部分でございます。
そこでまず、今後の事業につきましては、
基本計画を定めた上で、それに基づき実施していく考えということでずっと進めてまいりました。それで、会議資料をお渡しする、しないの議論があったと思いますが、実は、この中に出席している担当者たちは、あくまでも事務レベルでいろんな想定した会議をしております。ですから、その中でいったら、結局、お話をしている中では、現実からかなり離れた話もございますでしょうし、いわんや、まず、この計画をつくるに当たってさまざまな意見を言い合っております。
それで、会議録を持ってこいというお話でございましたが、会議録と申しましても、大体、大まかないろいろな話が、例えば、うちの課長がいろいろ言ったことに関しては、札幌市木村課長という形で一つ一つの名前も出ております。1件1件、今、いろいろなフリートーキングしている部分を、雑駁に書いた部分を、全部、会議録を持ってこいという話になったときには、それぞれの人の名称等々も入っているものですから、そこの部分を、やはり、これを公開するという形の中で議事録をとっている部分でもないという中では、それは、当然、その会議でいろいろとご教授いただいている方々のご了解もとらなければならない。そして、あわせて、これをまとめておりますのが振興公社でございます。振興公社としてのやはり内部決議もなさなければならないという中で、ここの資料に対しましては、出さないとは申しておりません。あくまでも、その中で、大まかにこういうことがお話しされたのだということを、しんしゃくしてその部分は委員の方にお渡ししていると思いますが、そういった中で今回は対応させていただいているということでございます。
◆宮本吉人 委員 先ほど来、委員から出ていたように、公社の株主は札幌市なのだから、札幌市が株主ということは市民が株主なんだ。市民の財産なんだ。それをたまたまいろいろなものについて公社に検討を任せているというか、公社を中心にやってもらっているだけの話でしょう。となれば、先ほど出ていたように、当然、札幌市に監督責任があるし、その結末については札幌市が責任を持たなければならない。そうですね。
そういう状況なのに、検討されている中身がわからない。そんな状態でどう責任が果たせるんですか。まず、今の話によりますと、そこに参画している人たちの個人プライバシーと言ったか、そんなプライバシーを保護しなきゃならん人が参画しているんですか。公表できない人が参画しているんですか。
私は、そんな中で私なりに調べてみました。そちらからようやくもらった中に若干入っていました。北洋銀行、パシフィックコンサルタンツ、合人社、光井純アンドアソシエーツ、KITABA、日本ケーブル、嘉穂製作所、こういう方々が来ていたというのがわかりました。少なくとも、こういう方々は、あくまでもいろいろなことを想定した形の中での参考人として、あるいは資料提供者として、協議をするに当たっての参考の立場で参画する方ではないですか、本来からいけば。そうですね。ちょっと返事をもらって。
◎昔農
観光部長 今回、この会議にそれぞれ出ていただいている方々というのは、あくまでも参考と申しますか、我々としていろいろとご教授いただきたいという中で入っている方でございます。
◆宮本吉人 委員 そうですね。ですから、こういう方々が必要に応じて参画したというのなら私はある程度理解します。しかし、この経過の中で、
基本計画(案)についてというところがあった。
基本計画(案)の大筋はパシコンでまとめているとあるが、どのような経緯でパシコンがかかわったのか、私はわからん。
基本計画(案)の大筋はパシコンがまとめていると書いてあるんだよ。その辺のところはどういうことでパシコンが
基本計画を、そうしたら
基本計画の根本からパシコンがかかわっていたということではないですか。
◎昔農
観光部長 パシフィックコンサルタンツにこの計画案をまとめることを委託しているわけではございません。これは、あくまでも公社の事務、要するに、この事業を進めるに当たって、その手伝いをしていただいているだけでございまして、パシコンがこの計画案をつくったわけではございません。
◆宮本吉人 委員 それでは、まず、人数において調べてみたんだ。これは、たまたま、会議の席、こういう四角いテーブルに座っているんだ。こちら側に札幌市が3人、KITABAが2人、向かい側に公社4人、左側に各業者が1人と2人ずつがある。右側にパシコンがずらっと8人座っているんだ。8人、何なの、この会議の持ち方は。こんなに必要なの。こういう構造の中でつくられてきた
基本計画、パシコンがかかわっていないなんて言えないでしょう。
だから、私は、
市民意見だとか、いろいろな方々の意見だとか、そういうものを検討しましたなんていうことは真っ赤なうそだというふうに思っています。と申しますのは、これに至る以前に、既存ルートはなぜあそこに上らないか、皆さんわかりますか。最大の原因は、今話が出ていましたけれども、市電をおりてあの道路を歩くに当たって、歩道が狭くて、冬なんかおっかなくて歩けない。ようやく坂の下に着く。そこから、自動車の通るのをおっかなびっくり避けながら、上がっていって、そして左にカーブして、また、だらだら坂をずっと上がっていくんだ。しばらく歩いてようやっと
ロープウエーの駅が見える。そこからさらにまた急な坂と階段を上って、やっと
ロープウエーの切符売り場に着くんだ。そこで、
ロープウエーの切符を買って、時間だよといったらまた急な階段を上がってやっとケーブルに乗っかるんだ。
私も、孫を連れて、見せてやろうと思って、ハイキングがてら、あそこに行って
ロープウエーに乗せてやろうと思って行ったら、途中で、じいちゃん、抱っこ、おんぶと言われるんだよ。こっちも足も腰も痛いのに、どうやって孫を連れていかれるの。ましてや、これから高齢化社会、ましてや、
バリアフリーと言っていながら。これが最大の悪評の一つ。
その次、ややしばらくかかるんだ、10分か、15分くらいか、
ロープウエーが来るの、間隔が。待たされるの。やっと来たと言って乗っかる。子どもだもの、ケーブルから見たいとか。ところが、あれは30人か40人乗りだね。50人か。乗るんだよ。そうしたら、すいているときならいい。いっぱいいるときだったら、もう後ろの方に並んじゃって、孫に窓際で見せてやりたいといったって、見られない。観光客だとか、でっかい外人さんがばんと前に行っちゃったらもう見えないんだ。孫が、じいちゃん、見せて、見せてと言ったって、済みません、ちょっと子どもに見せてやってくださいと言って一生懸命に前の方に送り込むぐらいだ。そして、瞬間、景色を見ながら上がっていく。これも、かなり待たされた上で、やっと上がって、ケーブルそのものも15分待たされて、5分かかって上がって、上に着いたら20分以上かかっている。
さあ、そこから、まだ上があるわ。どうする。バスだと言うんだね。バスも、時間、時間で動いているから、5分置きか何か知らないけれども、そこでもまた待たされる。そして、やっと上がった。この乗り継ぎが第2の悪評。
そして、バスであそこまで上がって、バスをおりたら、またそこから階段でだらだら上がっていく。やっと
展望台の下に着いたら、また、
展望台の中で階段をだらだら上がる。上まで上がるのにどれだけの坂や階段があるか。これが、観光客を含めた市民が上がらない、伸びない大きな理由なんです。
だから、今回の改修に当たっては、こういった問題を抜本的に見直して、さまざまな論議をして、そして、現在、考えられる改修、将来に向けてできる最大のことを、みんなで決めたらみんなで一生懸命やりましょうと。これが本当ではないか。それを前から言っているんです。
部長も相づちを打っているということは、個人的には了解してくれているのかななんて思うけれども、立場上、わかってもできませんと言いたいのかわかりませんが、その辺についてもう一回聞いてみる。
◎昔農
観光部長 今、三つのバリアがあると委員がおっしゃった部分ですが、先ほどの実施案では、この
バリアフリーに関して、今、委員がお孫さんをお連れして、確かに
ロープウエーで込んだら市街の方が見えるか、見えないかということがございますけれども、それ以外のつなぎなどではかなりの部分を
バリアフリー化し、あわせて、とんとんと上がっていく階段もほとんどなくしております。もちろん、元気な方は階段を上がっていただきたいところでございますけれども、そういった部分は
エレベーター等で抜本的にやってきたつもりでございます。
あわせまして、今後のあり方という中で、例えば、スキー場との連携というお話がございました。これからの進め方でございますが、協議をしていないのではなくて、実は事務レベルではかなり協議もしております。また、スキー場との連携では、
展望台まで真っすぐ
ロープウエーで行ってしまうと、実は、連結というのはちょうどあの中間駅を活用しないと――あそこで連携しますと、スキー場のスロープから見ると150メートルから200メートルの間で駅と行き来できます。
そういった部分に関しても、我々としまして、今後、お互いの活性化の意味でも、それから、例えばスキー客が
展望台で憩えるように、逆に言えば、
展望台に上がった人が途中でおりてレンタルスキーで下に滑っていけるような、そういう連携を図っていくシステムが必要であろうということも含めまして、今後、協議をしてまいりたいと考えております。
◆宮本吉人 委員 今の後段の部分、この
基本計画の検討には一切入っていないでしょう。今、言われたからそうやって話し合っていますとか、急に入ってくる。これから検討しますでしょう。だから、
基本計画の構築そのものに今言ったさまざまな問題の連携ということが全然協議されていないからだめだと言っているんですよ。協議した上で、最終的にこれしかないと言って提案されるのなら僕は反対しません。わかりますか。その部分を言っているんです。
今の平和塔だって、宗教施設かもしれませんけれども、
藻岩山の中腹のど真ん中にあるんですよ。あれは、将来なくせません。いつまでたってもある。だれにでも聞かれる。あれは何ですかと。どう説明するんですか。
日本じゅうの観光地の中に宗教施設はいっぱいありますよ。あったっていいんじゃないですか。あの平和記念塔は、僕が先ほど言ったように、中学か高校のころ、あれを建てるために、当時、地崎を含めた名士の方々が中心になりまして、市内挙げて、市民挙げて、100円募金という奉加帳を回して、広く募金を集めて、そして、ご苦労の中でつくったものなんです。あれをつくったからといって、お釈迦様をお参りしなさいなんて言っていないですよ。皆さんで平和を考えましょう、恒久平和を、戦争のない世界をつくりましょう、シンボルのために浄財を集めてつくられたものですよ。そうした崇高な精神は、どんな方だってだめだと言う人はいませんね。そうするならば、堂々と
藻岩山の資産の一つとして、連携するものの中に堂々と入れたっていいんじゃないですか。そういうことも検討されていない。
水道記念館は、僕ががんがん言った中で、連携、連携とうるさく言ったものだから入ってきたのかもしれないし、もとから入っていたのかもしれませんけれども、そういったこと。さらには、今、現状のルートでやっているけれども、それだって私は言いましたよ。ほかに手法はないんですかと。例えば、直登のルートはとれないんですか。あるいは、もっと南側に振って、下から、例えば市電の車庫のあたりから直登で上がる方法はないんですかと。そうしたら、何て言った。林野庁が許可しませんと。それから、市電の倉庫の方は、東本願寺が油がぼたぼた落ちるから賛成しませんと言ったと。
ああ、そうか、困ったもんだな、だけど、何とかならないか、おれは両方とも身近に知っている人がいるから聞いてみる、いつ、どこで、だれとその話をしたか、教えてくれと言ったら、教えてくれないんです。
木村課長に言った。がんがん言った。そうしたら、ようやっと窓口らしきものだと教えてくれた。担当はだれだ、いつ行ったと言ったら、そこまで話し合っていませんと。
ルートだって、林野庁と、不可能かもしれませんけれども、僕は努力してみるべきだと言ったんです。自然を壊すからだめだと言う。自然を壊すからといったって、新しいルートは壊すかもしれないけれども、古い方は返すんだから、プラス・マイナス・ゼロじゃないのと。そういったことで、やっぱり、今後、何十年の、市民の財産の将来を考えたら努力してみるべきだと思うから、僕もやってみるかと、こういう提案をさせてもらいました。
それから、お墓の上を通って油がぼたぼた落ちるからだめだって、本願寺のだれよと。おれは檀家だから行ってくると。檀家が許しませんと言ったと言うから、おれも檀家だから行ってくると。それも、だれだからわからない。結果的に出てきません。
だから、そういったことは、不可能だろうとは思うけれども、不可能だとは思うけれども、そういう努力や検討をしていないということさ。だから、僕はだめだと言っている。いろいろとやってみて、汗をかいてみて、努力してみて、だめならだめで、現状ルートしかない、だったらやむを得ないなと。こうやって僕は言っていたんですから、そこのところが全くない。それを答弁してよ。
それから、現状ルートであっても、今の駅の問題と乗り継ぎの問題と間隔の問題、15分置きということ、今の計画書を見たら、乗りかえした後、
展望台に行くまでについても行ったり来たりのモノレールみたいなやつで、あれだって1往復しかできないだろうと思うから、行ったり来たりで時間がかかるんじゃないの。待ち時間が必要じゃないの。上へ行ったやつがおりてくるまで乗れないでしょう。おりてきたやつが、また上に行って、往復でそういうことをやるんだから待ち時間が随分とかかるんだ。
だから、そういうものを企画したって、結局、評判の悪い形がちょっと改善されるだけだ。観光客がなぜ行かないか。観光バスでぐっと上に上がるやつは何台か上がっているみたいだけれども、観光客がなぜケーブルを利用しないか。はっきり言って時間がかかるからさ。時間がかかるからだよ。観光バスは市内観光となったら、市内の4カ所、5カ所を時間内でびっと回らなきゃならないんだ。わかるか。
藻岩山のケーブルを上ってみたいと言ったって、あそこにおろして、
藻岩山に上がって観光しておりてくるだけで1時間も1時間半もかかるんだ、今の想定で行くと。だったらほかのところを回れないから、あそこを観光ルートに入れないんだって。
だから、今の手法をとったんじゃだめなんだよ。それで、いろいろ僕も聞いてみた。そうしたら、昔やっていたゴンドラ方式というものですな。あれだと、カーブでも何でも上手に曲がっていくそうだ。そうすると、今の
ロープウエーの駅も、道路を横断して下の駐車場の方まで落とせるんだ。そうすると、大分下の方に駅がおりるから、今言った
アクセスの問題もかなり楽になってくる。そして、そこから上がっていって、中腹駅はカーブして上がっていくと言うんだよ。
○
伊藤理智子 委員長 宮本委員、そろそろ質疑をしてください。
◆宮本吉人 委員 (続)わかったよ。
カーブして上がっていくと言うんだよ。そして、中間駅でおりられると言うんだよ。乗りおり自由だと言うんだよ。そうやって言ったら、いやいや、風に弱いからと言う。えっと聞いてみたら、メーカーに聞いたら、むしろケーブルよりゴンドラの方が風に強いということがわかった。
そういったことで、そういった総合的なことを含めて何ら検討されていない中で、もう既成事実の中でこのことをパシコンの指導によって着々とやってきている。だから、私は、もう一回、原点に帰って、総合トータル的な検討をした上で、必要な部分について、現在許される予算の中で、
展望台だけ、あるいはケーブルカーだけ、これだけというふうにして段階的にやる手法をとっていくべきだ。
そして、金がないならば、いろんな方法があるでしょう。市民にも協力してもらうとか、私たちのシンボル、
藻岩山をよくするためにと。可能かどうかはわかりません。例えば、日光杉街道とか、どこかのお城の改築とか、市民有志に寄附してもらっているんだよ。宮本吉人100万円とか、札を張ってくれますね。そういった市民運動を起こして、有志の方々にも、この
藻岩山の
魅力アップのために、将来の資産のために協力してもらえませんかと寄附を募って、寄附が集まったやつからやっていくという方法です。
だから、一遍にとってつけた継ぎはぎだらけのような工事手法でやるとそういうことになるからだめだと。だから、こういうことも考えられるんでないかということなのです。大分しゃべったけれども、ちょっと考えを。
◎昔農
観光部長 まず一つ、全く周辺の部分との調整はしていないじゃないかというお話をまず第1点ということで挙げられておりました。そこに関しましては、我々といたしましては、確かに、上の段階での正式な協議はしておりませんけれども、必ず、事務担当レベルでは何回もそことの打ち合わせはしていると我々も報告を受けておりまして、そこの中で出てきている話としては、ずれていないものだと思います。
それから、途中で曲がる部分で今どうだというお話でございましたけれども、この部分に関しましては、これまでの市民議論の中でも、実は、何回も、直接上げた方がいい、それから、現有ルートではなくて、もっと違う方から上がった方がいい、いろんな議論をしてまいりました。その中で、やっぱり、環境保全という大きな目標の中にいきましたら、現行ルートを守って、これ以上、木一本、切らないでやってほしいという話で、環境に配慮していこうと、これが第一のお話でございました。その中で、少なくとも今のルートを守ってやっていこうということでここの部分は決まってきたのかと考えております。
それから、今、運営に関しまして、
ロープウエーでございますが、66人乗りのゴンドラが往復して、1時間に大体10回ほど、要するに片側5回の往復ができる状況でございます。また、
スロープカーの乗り継ぎでございますけれども、今の段階では、我々として聞いておりますのは、必ず、
ロープウエーが上がりましたときには、往復でございますが、短い距離で片側5分しかかかっておりませんので、そういう意味では、約100人乗りに近いものにしようと考えておりますので、今の66人乗りを、上下でそんなに待ち時間なく順次上げていけるような、もちろんお客さんの入りの状況によってその本数は変わってまいりますが、お客様を黙って待たせるような形ではなく、最大限の努力はさせていくつもりでございます。
◆宮本吉人 委員 時間が時間ですから、本格的な論議はまた特別委員会でやりたいと思いますが、とりあえず、パシコンがかかわった経緯、いつごろからかかわったか。
◎木村 観光企画課長 パシフィックコンサルタンツにつきましては、今、
札幌振興公社のこういう計画作業の補助業務の委託を受けている会社でございます。先ほどお話がございました準備室のいろいろな協議の補助をやっているということでございまして、時期は19年8月からその作業の受託をしているということでございます。
◆宮本吉人 委員 今、そういった形の中でかかわらせたということは、この計画の初期の段階からかかわっているということでしょう。だから、少なくとも、先ほど言ったように、29回目の会議には8人もパシコンからそれぞれの人が来てやっている。この状況を見ただけでも、私は非常に疑念を感じる。そして、このパシコンという会社は、人に聞いたものが多いんですけれども、いろいろ調べたら、関連会社というか、政府の補助というか、ODAと言うのか知らないけれども、ベトナムで賄賂で逮捕されたと言うんでしょう。元何とかと。元と言ったって、逮捕されたから元になったのかもしれないけれどもね。そういう会社なんだよ。そういう会社が深くこういったことにかかわっているということに関して、札幌市としては何にも感じないのかい。その辺をちょっと聞きたいな。
◎昔農
観光部長 パシフィックコンサルタンツの兄弟会社でございますパシフィックコンサルタンツインターナショナルがベトナムで犯罪行為を犯したということで、このたび、その会社は消滅しているところでございます。
我々といたしましても、その事実関係がわかった段階で両社に確認をとっております。その当時、もちろん兄弟会社でございますので、その一つが不祥事を起こしたからといえども、パシフィックコンサルタンツ自体が指名停止等になるものではございませんけれども、やはり、人に与える考えの中で何かあるのではないかということもございまして、我々といたしましても調べました。その中では、両社に関しまして、役員の重複や資本でのやりとりとか、人の動き等もございませんし、そういう意味では、今回に関します公社の委託に基づきまして、いろいろと事業をまとめていただいておりますパシフィックコンサルタンツとパシフィックコンサルタンツインターナショナルに関しては、我々としては関係のない部分であると認識しているところでございます。
◆宮本吉人 委員 認識が甘いね。兄弟会社だと言ったって、同じ会社じゃないか。何を言っているんですか。資本系が一緒なんだもの。そういうことだから、いろいろと過去に札幌市も自殺者を出すようなことになるんだ。だから、そういう甘い判断ではだめだ。根本から見直すべきだ。
そういうことを強く主張して、あとは特別委員会でやるから、終わります。
◆湊谷隆 委員 時間も時間ですから、1点だけ、局長にお尋ねしたいと思います。
なぜ、これだけの質疑が交わされたか。何が大きな問題点か。私の察するところでは、この
魅力アップ構想は、19年5月、これは確かに観光企画課でつくられたのでしょう。しかし、この中の文言を見ますと、第三者的な文言なのですね。このような計画がいいでしょうとか、望まれますとかね。これに基づいて、これで市民アンケートなどをとったりして、大変いいことは出ていますけれども、一方、こちらの
基本計画(案)は振興公社が主体となって出されたと、それでないと合わないんです。先ほど部長がいろんなことを言っていますけれども、ここに大きな問題点があるんではないかと。
そこで、常任委員会でそれぞれの会派からこれだけ問題点が出されて、スケジュールは今年度中と冒頭に部長が言いましたけれども、その点についてはどうなりますか。
◎梶原 観光文化局長 まず、今ご指摘を受けましたので、そのほかのことも含めて、2〜3、私からも、訂正というか、おわびも兼ねてちょっと申し上げます。
まずは、再三、委員の皆さんから新聞報道のことも言われていまして、きょうの朝も幹部を私のところに呼びまして、もう少し情報管理をしっかりしなさいということで叱責いたしました。きっと経済常任委員会で怒られるぞということも言って、当然、皆さん方にも申しわけなかったと思いますので、この席をおかりしておわびを申し上げます。
もう一つは、今までの経過について、私も職員に再三聞きましたところ、意見を聞く、あるいは、段取りとしては私はそんなに問題意識は実は持っておりませんが、ただ、この経済常任委員を含む委員の皆様に説明する回数や熱意には多少甘いところがあったんではないかというふうに私は考えております。もう少し、早目早目に各委員の方に根気よく説明していればよかったということが一つ私の反省でございます。
もう一つは、先ほどからうちの幹部の説明にもありますけれども、振興公社との関係で、働きかけるとか、あるいは支えるとか、そういうふうなことになってしまうと、何となく市役所が一歩引いているように見えるので、その表現の仕方はきちんと考えないと誤解を招くということを私は認識しましたので、今、日程を変えるとかなんとかということはここでは申し上げません。日程は、私としては、恐らく今までどおりで進めていけると思いますが、もう一度、職員の意識をきちっと私の方で反省も含めて論議させていただきたいというふうに思います。
◆湊谷隆 委員 先ほど来、これからの予特の中で質疑を交わしますという委員もおりますけれども、本来は常任委員会にかかったものを常任委員が予特で質疑するとなると、今まで常任委員会は何をやっているのだということになっていくんですよ。ですから、やっぱりスケジュールが変わらないとなれば、予特でもやらざるを得ない、今のような質疑をまた我々全員がやらなければならんということになるんですよ。
ですから、それは延ばしてでもいいですから、もう一度、常任委員会に出し直すというんではないにしても、そこら辺は責任を持った案を、それから構想が、出されたものが取り入れられなかった場合、どうだったのかということも含めながら、わかるように説明願いたいと思います。
◎梶原 観光文化局長 今、委員からお話がございましたように、この経済常任委員会に説明することは、幾らご報告しても全く異存がございませんので、幾らでも、何回でも出て説明をさせていだたきたいというふうに思います。
◆宮川潤 議員 議論も大分尽くされましたので、簡潔にやります。
まず最初に、1点申し上げておきたいのですけれども、先ほど、三浦英三委員との質疑の中の部長の答弁で、振興公社に任せていては進んでいかないので、市が本腰を入れる、こうおっしゃったんです。私は、市が本腰を入れるのは結構です。それはいいことです。だが、振興公社というところは、市が80%以上も出資して、しかも、人も出しているところですね。そこに任せていて進んでいかない、そういう会社なのですか。それはまずいでしょう。市が80%出資しているのですから。しかも、所管部局が任せておけないと言えるようなところだったらまずいんですよ。何が足りないんですか。人ですか。金ですか。企画力ですか。そういうことをきちんと話してもらいたい。連携を強めて、実行力が発揮できるような公社にしていくのが担当である観光文化局の責任だと思いますから。
あの公社は、例えば、ゼロ番地とか光星ショッピングですとか、難しいものをたくさん抱えているんです。そのたびに、任せていては進んでいかないということが繰り返されたんでは困る。市が任せっきりにするということはもちろんだめだけれども、そうではなくて、担当部局として、振興公社と連携して、そして、力を強めていけるようにするようにしてもらいたい。
この点については、私は予特で続きをやります。
それから、先ほど来、宮本委員が
藻岩山再整備準備室の問題について指摘をしておりました。私も同じ意見を持っております。私が入手しているところで言いますと、この会議に出席しているのは、その回で違うのかもしれませんけれども、市と振興公社は出ています。これは当然ですね。あとは、北洋銀行と、
プロポーザルで選定された業者が出ています。これもあり得るでしょう。あとは、嘉穂製作所というところと株式会社KITABAというところと日本ケーブルです。これらはみんな専門的な会社ですね。専門的な業者が幾つかあって、先ほど来言ったように、そこにパシフィックコンサルタンツが何人も出ているのです。都市交通部の部長とか、地域建築グループはグループリーダー、次長、課長、技師、環境グループはグループリーダー、技師、上下水道グループ、構造グループとこうきているんですよ。だとしたら、だれがリードしているかはもう明らかですよ。
それぞれほかの業者は皆専門業者ですから、部分的には専門的な知識を発揮するでしょう。しかし、こういう構造を見ても、だれがこの会議をリードしていっているのかというのは明らかだと思いますけれども、まず、この
藻岩山再整備準備室は、何回、会議をやって、何を決めたか、この点を簡潔にお答え願いたい。
◎木村 観光企画課長 先ほど来お話がありますとおり、29回の会議を19年8月以来行い、その中では、
プロポーザルのそういう提案募集の資料であるとか、今回の
基本計画(案)に関する協議を行っていたところでございます。
◆宮川潤 議員 これは、私たちも知らない間に、29回の会議が繰り返されてきた。決まるでしょう、29回やったら中身は固まるでしょう。しかも、国際的に活躍しているコンサルタント会社と専門業者が入って会議をやっているんです。29回やったら、その間で、大枠のぼやっとした話にしかなりませんでしたということにはならないでしょう。私は、中身について、ここの場で相当決まっていったんではないかというふうに思いますよ。
それで、専門業者も入っています。コンサルタント会社も入っていますという中で、こういった業者が、結局、事業を担っていく、仕事をもらうということになるんじゃないですか。ここの業者が仕事を受けるということにはならない、仕事は受けないと言えるのですか、どうですか、伺います。
◎昔農
観光部長 基本的に、先ほど来申し上げておりますとおり、ここの
魅力アップ構想のうちの設備再整備を今後どうしていくか等々に関します議論をしてまいりました。それで、特に、業者が入っているじゃないかという部分に関しましては、今後、再整備に当たり、例えば、今あります
ロープウエーをどれぐらいの整備をしたらいいかということなどに関しまして、当然そこの企業からご意見を伺わなければならない。そこはまずご理解いただかなければなりません。
それと、もう一つございます、例えば、私が言っていました
スロープカー等に関しましても、実は日本で1社しか使っておりませんで、どれぐらいの性能であるかといったことも含めまして、そこの中では聞いていかなければならないという中で、この会議でイコール業者が決まっていっているのではないかという部分に関しましては、いろいろなパターンがございますでしょうが、例えば、整備計画案が終わった段階でこの事業からパシフィックコンサルタンツは当然引いていただいて、その中でいきますと、今度は設計に入っていきますでしょうし、そこは順次変わっていく形になろうかと思います。
ですから、この会議の中のものですべて決まっていくというものではございません。あくまでも、この構想をつくる段階のものだとお考えいただきたいと思います。
◆宮川潤 議員 私は、専門業者も含めて、結果的に事業を担うのではないか、担わないのかというふうに聞いているんですよ。
例えば、ここの専門業者、
ロープウエーなら
ロープウエーの専門業者が何らかの提案をする、こういう
ロープウエーがいいですよと。そうしたら、その業者は自分のところにあるノウハウが意見として出るのは私は当然だと思うんです。だとしたら、その仕事をできるのは実はうちなんですよということが結果的にあり得るのではないですか。ですから、私は言っているんです。
先ほどもありましたけれども、ここの会議の議事録と資料を、こんな話し合いがされていたんではないかと私は思いますから、改めて、29回分の会議に出された資料と議事録は求めたいと思います。
それから、私は、
藻岩山魅力アップ構想施設再整備
事業者選定プロポーザル全体概要という資料を見せていただきました。この事業スキームの中心は、この段階でSPCになっているんです。再
整備事業の想定内容と
プロポーザルの内容ということで、事業の中心がSPCです。SPCは、この中で政府系金融団体から出資を受けたり、配当を出したりということをしています。金融機関から借り入れたり、返済というのもSPCがやっています。民間企業の出資ということでは、調達したり配当を出したりというのもSPCがやっています。会計士、税理士、弁護士からの意見をもらうのもSPCです。そして、設計、工事監理ほか、委託を出すのもSPCです。まさに、事業スキームの中の中心ですよ。
それで、このSPCがなくなるというか、採用しないのですね。事業スキームの中心が変わるという事態になりました。事業者を選定する際、
プロポーザルをやりましたね。
プロポーザルの選定の結果は、受付番号1番、合人社・光井純アンドアソシエーツグループ、代表企業 株式会社合人社計画研究所代表取締役と、資料の8ページから9ページにかけて書かれております。
ここの受付番号1番のグループがなぜ選定されたのか。私はわかりませんが、幾つかの
プロポーザルの内容を判定するような判定の尺度があったんでしょう。しかし、資料の9ページに講評が書かれている。なぜ、受付番号1番のグループが選ばれたのか。こう書いております。応募グループは、多くのPFI型事業、SPC、特別目的会社の経営管理等に豊富な実績があり、それゆえの着眼点から、提案、潜在する問題点の洗い出し、解決手法においてすぐれた企画力、計画力が総合的に評価された、こういう講評で選定されていますね。
事業スキームの中で中心を占めていたSPCを使わないという段階で、SPCの手法にすぐれているという評価を受けたグループが選ばれた。そうだとするならば、私は
プロポーザルのやり直しをしなくてはならないと思いますけれども、どうですか。
◎木村 観光企画課長 この参考資料の9ページにあります講評の部分でございますけれども、SPCの経営管理等の豊富な実績があり、それゆえの着眼点からということで、あくまでもSPCをやっている経験そのものではなくて、それに基づく計画力、企画力が評価されたということでございます。
◆宮川潤 議員 それゆえの着眼点の前に、SPCの経営管理等の豊富な実績がありと評価しているじゃないですか。SPCの経営管理等に豊富な実績があることが評価されているんでしょう。されていないんだったら、ここに書いてあることはおかしいということになります。ですから、選ばれたんですよ。ですから、私は、
プロポーザルそのものが、こんな真ん中の事業スキームの中心が変わる、その中心が実はSPCで、SPCの関係で評価された会社、グループが
プロポーザルで選ばれているんですから、私は
プロポーザルをやり直すのが適切だというふうに思いますよ。これは、ぜひ考えていただきたい。
局長、先ほど日程上の問題が出ましたね。私は、これだけ問題が出されていることを真摯に受けとめるならば、足をとめて、もう一度考え直す、じっくり検討することが必要だと思いますよ。最初にゴールありきで進んでいってはならない、そういう局面になっていると思いますけれども、いかがですか。
◎梶原 観光文化局長 今、委員から日程について見直すべきだというご意見、ご指摘がございましたけれども、私の今の段階で日程を見直すということはお答えいたしませんが、根気よく、根気強く皆さん方を説得すれば、必ずやわかっていただけるものだと私は思います。
◆宮川潤 議員 今までも根気よくやってきたわけでしょう。今までは手を抜いていたの。違いますよ。何度でも説明に行きますよというふうに私も言われていましたよ。それでこういう事態になっているということを真摯に受けとめていただきたい。先にゴールありきで進んでいってはならない、そういう姿勢でやってもらいたい、このことを重ねて申し上げておきます。
◆堀川素人 議員 もうほとんど尽くしたね。僕の方でも、結論から言いますと、これは、立ちどまってしっかり考えて、もう一度、ゼロのスタート台に着くべきだということです。
なぜそうかといいますと、今言ったSPC、我々は、それを聞いた瞬間、都市再生機構だったか、そこのところにすぐに電話をかけて、この仕組みはどうですかと聞いた。その結果、大変危険であると思って中止を働きかけた。結果、会社設立はやめになって大変よかったな、こう思った。そう思ったら、今度は34億円のやつが、今、28億円になる。こんな事業をやったらだめですよ。事業は、このためにこういうことが必要だと言って積み上げてきたはずなんです。それが、SPCをあきらめたのはことしに入ってからですよ。ことしに入ってからあきらめて、それが、本当に短時間の間に34億円が28億円になるという事業ということは、計画自体がしっかりしていないし、将来を見通していないという証明ですよ。こんなに簡単に事業費が変わるようであってはならん。こういう事業だということです。
それから、小さな話になりますけれども、先ほども出ましたが、KITABA、日本ケーブル、嘉穂製作所はどういう資格で入ってきたんですか。この時期に入る話ではない。そうするならば、先ほど宮川議員が言ったように、将来の事業とつながってくることが既にここでもってコネクトされている。そういうことを、けじめのないことをやったらだめだ。
それから、19年8月からパシフィックコンサルタンツが入ったと。ばたばたとやって、ここの中に市民の意見はどういうふうにして取り入れたか。29回やっている。この中では、コンサルタンツとすれば、早く仕事を仕上げて、お金をもらって終わりにしたいという中で、彼らが主導してやって、次に、まだ関係ない人さえも呼んで、KITABAとか日本ケーブル、嘉穂と。専門と言ったって、こういうところでもってまだ出てはならん人まで連れてきてやったならば、次の仕事も決まっているような話だ。こういうことをやってはだめ。
それから、先ほど言ったパシフィックコンサルタンツは、ベトナム版ロッキード事件だ。大変な問題を起こして、インターナショナルという、ある意味ではパシフィックコンサルタンツの子会社ですよ。前で言うならば、ホールディングスを持って、100%そこの会社になっていますけれども、そういう子会社が極めて大きなコンプライアンスに欠けるような会社であったということ、これは大変重く受けとめなければならん。これを、ついこの間まで僕から言われなければ知らなかったという極めてお粗末な話が今の観光文化局だ。
こういうことでやって、そして、今のやりとりを聞いている中で、どれほどしっかりこの事業を知っているかといったら、僕は3人とも知らないんじゃないかと思う。82%の出資を持っている札幌市が、こういう事業をこのように、ある意味では、僕に言わせればだらしなくやらせたらだめだ。それで、皆さんがおよそ大変に疑問を持った事業だということ、そして、こういう何十億円もかけてやる事業というのはいつもあるわけではない。自民党がこの間言っていた。単なる改修とすれば費用が多過ぎる、抜本的にやる事業とすれば事業額が少な過ぎるのではないか、こう言いましたけれども、そのとおりですよ。しかも、新会社をつくらないからといって34億円が28億円になるような事業をやってはだめだということを僕は意見としてつけ加えて、これで終わります。
○
伊藤理智子 委員長 答弁は要らないのですか。
◆堀川素人 委員 要らない。もう結果は出ている。
○
伊藤理智子 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
伊藤理智子 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後0時48分...